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2009年5月29日 (金)

20年桜 真桜-15

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。


「あんな男と一緒にならなければもっと幸せになれたのに・・・まぁ、それが運命ってやつかもしれねぇな」

「俺は母親似?」

「ああ、1回店で女装をしたことがあっただろ、ショータイムでよ。あの時は驚いたぜ、彼女が生きていたのかと思って肝冷やしたぜ」

シャマルが灰皿に煙草の火を消した。

続けざまにもう一本火を付ける。

獄寺はグラスのワインを飲み干してボトルから継ぎ足した。

「お前が生まれたことは知らなかったんだが、ある日お前の父親に呼ばれて家に行くとフランスのマルセイユの別荘に子供がいて、それを迎えに行って欲しいと頼まれた。そしてついでにその子の記憶の全てを俺の持っている薬で消して欲しいと。だが、そんなことをすれば生まれてからこれまでの記憶が全て消えちまう。名前も住所も両親の事さえも・・・そうお前の両親に言ってやったんだが、それでも構わないから行って欲しいと泣きつかれたんだ」

「マルセイユ?」

「ああ、南フランスの港町だ」

それを聞いて獄寺はロマーリオの話しを思い出した。

(そうか、そこでディーノに出会っていたんだ)

「俺が行くとお前は両親だと思って喜んだのはつかの間、悲しい顔をしやがった。しかも女の格好なんかしてやがって・・・その時空港で偶然入った臨時ニュースでお前の両親が殺されて家ごと焼き払われたことを知ったんだ。俺は呆然とした。この子を、記憶さえ奪ってしまったこの幼い子供を俺は一生面倒見ていくことに決めた瞬間だった」

シャマルはその時のことを思い出しているのか両手を強く握りしめていた。

「でも俺がお前と会ったのはこの店に来てからじゃねぇのか?」

「悪い、お前の記憶を奪ったのは1回だけじゃねぇ」

それを聞いた獄寺の手からワイングラスが滑り落ちた。

幸いテーブルの上に落ちたので割れなかったが白いテーブルクロスが赤く染まった。

シャマルは一度振り向いて獄寺の顔を見てからもう一度窓の外に視線を戻した。

<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を送っていただいてありがとうございました。

もう少しシャマルのお話が続きます。
ちょっと真剣に書きますね。


ところで11月の全国大会でシャマ獄アンソロがでるらしいんですがそれに参加することにしました。
そのストーリーがやっと浮かびました。
少ないページですが書けるかなぁ~

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2009年5月28日 (木)

20年桜 真桜-14

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。


「それで、俺に話したいことがあるんだろ」

入口から真っ直ぐ奥にある個室に通されると

海の見える席に座った獄寺はシャマルが注文したワインに口を付けた。

シャマルは車の運転があるからと言って大きなグラスに注がれた

発砲のミネラルウォーターを飲んでいる。

「さっきの話しの続きだ」

テーブルに置かれたパンを一切れ手に取りながらシャマルはそれをちぎった。

「お前の昔の記憶だけど、俺が消した」

あまりにあっけなく真実を告げられて獄寺は呆然とシャマルを見つめる。

「お前がまだ子供の時の話しだけどよ」

シャマルはちぎったパンを口に入れた。

「俺が子供の頃・・・お前が?」

「そうだ、これもお前のためだからとお前の両親に泣きつかれた。」

「それで俺の親は?」

「死んだ」

「・・・」

そこまで言うとシャマルは両手を伸ばして立ち上がった。

テーブルから離れて大きな窓の前に立った。

「大人になったし、今ならお前を守る奴もいそうだから今更だけど真実を教えてやろうと思ってな」

シャマルは窓を開けると煙草に火を付けた。

プーンと潮の香りに混じってシャマルの煙草の匂いが舞い込んでくる。

「本当はこの秘密は墓場まで持って行くつもりだったんだがな。お前の周りにいる奴らが許してくれそうにないんでな」

シャマルは口元を上げて微笑んだ。

獄寺は黙ってシャマルを見つめている。

「お前の父親はイタリアの本物のマフィアだった。頼まれれば盗みでも殺しでも簡単にやるような凄腕で、イタリア国家さえも一目置くほどの・・・というかこれは俺の推測だが多分国家の任務さえやっていて危ない橋も渡っていた」

シャマルはそこまで言ってから煙草をふかす。

「お前の母親はそれはそれはきれいな女だった。昔はイタリアでいや、世界でも一流の女優で誰もが憧れていたいい女だった。だかよいつの間にかお前の父親のものになっちまった。突然だぜ、俺を始め世界中の男は嘆き悲しんだぜ」

獄寺の眉がピクリと動いた。

「そういやぁ、お前は母親似にて女だったら美人になっていたな」

シャマルが少しだけ悲しそうに月を見ながら微笑んだ。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
すごく嬉しいです。
シャマルいいですよね。
ちょっと過去に遡っているので少しの間真面目な話しが続きます。

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2009年5月27日 (水)

20年桜 真桜-13

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

初めて手にする自分だけの部屋の鍵

獄寺は自然と笑みを漏らしている。

その少しだけ嬉しそうな顔を見て満足したのかシャマルも機嫌が良い。

「夕飯はイタリアンでどうだ?」

「イタリアン以外食わねぇくせに」

獄寺が上目遣いにシャマルを見るとシャマルは微笑んだ。

「そうだったかな」

そう言って立ち上がると獄寺も従った。

シャマルの車はビートル。

高級ホストクラブのオーナーなのに車は質素だが

良く磨き上げられた白いビートルの車内は総革張りシートで

カスタマイズ済みだった。

彼の好みでハンドルやミラーなどどれを見ても既存のそれではなかった。

恐らくカスタマイズ費用が車の費用と同等かそれを上回る金額だと思われた。

獄寺はあまり車には興味もないし知らないが

全体にお金をかけたディーノの車とは明らかに違っている。

そんなところがこの男のマメな性格を反映しているのかもしれない。

獄寺が助手席のシートに座ってシートベルトを締めると思いの外座り心地が良かった。

シャマルが慣れた動作でキーを差し込むと静かなエンジン音がして車は動き出した。

全てにおいて手入れの行き届いた車なのかもしれない。

振動も少なく音も静かだ。

獄寺は思わず睡魔に襲われてあくびをした。

「寝てても良いぞ。今日は海沿いのイタリアンだから少し走るし」

シャマルが獄寺にそう言うと獄寺は遠慮なく瞳を閉じた。

(そういえば帰ってからディーノが戻ってこなくて眠れなかったんだ・・・何か気持ちいい)

すぐに眠りについてしまった。

「隼人着いたぞ」

シャマルは獄寺の肩を軽く揺すって起こしてくれた。

潮の匂いがして波の音が聞こえる。

目の前には白い壁の地中海風な外装のレストランが柔らかい色の光でライトアップされて

浮かび上がっている。

獄寺はシートベルトを外して車のドアを開けた。

するとそのドアをシャマルが無理矢理閉める。

「おい、待て」

シャマルはそう言って当然のように獄寺の唇を塞いだ。

獄寺はシャマルの体を突き飛ばしもせず、逆にその頭に手を回した。

(何か懐かしい気がする。父親のキスに似ている。

父親のキス?何だそれは・・・)

シャマルの唇はすぐに離れて何もなかったかのように2人は車を降りた。

駐車場にも芝が敷きつめてあり、絵に描いたような美しい景色だった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
Web拍手を押してくださった方、感謝ですvv
嬉しいです。本当にありがとうございます。

何かあれ?何?これシャマ獄だっの?
とお怒りの方、ごめんなさい。違います。
2人はこの中では親子関係の様な関係です。
居心地がいいのがこのシャマル。
と取っていただけると嬉しいです。
書きながら時間がわからなくなってしまいました。
ホストクラブって仕事が終わるの明け方ですよね
そんな時間にはたしてレストランがやっているかなんて
細かいこと気にしていたら全てがアウトになるので
あまり気にしないで読んでいただけると良いと思います。
もう、既に矛盾だらけ。。。(汗)

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2009年5月26日 (火)

20年桜 真桜-12

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「雲雀は、昔約束したんだ」

その言葉にシャマルの眉がぴくりと動いた。

「お前、昔の記憶があるのか?」

獄寺には子供の頃の記憶がなかった。

ロマーリオに説明されたときのあの話さえも全く覚えてはいなかった。

自分でもどうしてかはわからない。

でも、なぜか雲雀とは手が触れあった瞬間から

初めてあった人間ではないことを潜在意識の中で認識した。

どこでどんな約束をしたかは覚えていない。

ただ雲雀のことを思い出そうとすると、満開の桜の木が頭に浮かんでくるのだった。

「わかんねぇ、お前は知っていたのか?俺が殺し屋だったこととか・・・」

「誰にそれを」

シャマルが獄寺の手を掴む。

「ディーノの部下だ。子供の頃の話をされた。ただ、もしかしたらそっちは奴らの勘違いだと思っていたんだが・・・」

獄寺は真っ直ぐシャマルの瞳をのぞき込んだ。

「そうだろ、子供の殺し屋なんざ聞いたことがねぇ」

シャマルも獄寺の瞳を見つめる。

シャマルのことはなぜか昔から知っていて、子供の頃の記憶はなくても

この男のことだけはわかる。

いつでも平気でその瞳で嘘をつくからこれが本当かどうか見極めるのはやはり難しい。

だが怪しい薬をたくさん持っているのは知っていた。

その薬の中に獄寺の子供の頃の記憶を消し去るものがあったとしても不思議ではない。

この店のオーナーだって表向きの顔で、本当は何者かわからなかった。

ディーノといい、このシャマルといいなんでこんなホストクラブなんかにいるのか獄寺には理解できない。

ただ、彼らはこの仕事が決して嫌いではなく

それどころか向いていると思った。

だからって本当の身分を偽ってまでする仕事なのだろうか?

獄寺はふとそんなことを考えていた。

「それでこのあとのことだが、ディーノの部屋に戻るのか?」

シャマルの言葉に獄寺は頷く。

「どうして?」

「嫌いじゃねぇ。それに約束したから今夜だけでも帰る」

「ほう、すっかりあいつに飼い慣らされちまったようだな隼人」

シャマルが獄寺の顎に手を伸ばす。

その親指が獄寺の唇に触れて口の中に軽く入り舌に触れた。

獄寺の背筋から全身に何かが走る。

「昔はもっと俺にしっぽを振ってついてきたもんだったが・・・」

シャマルは親指で獄寺の唇を濡らしてからその手を離した。

赤く艶めいたその唇を見つめていた。

「昔って・・・お前は何も知らないと言ってたくせに。やっぱり嘘か」

獄寺がシャマルをきっと睨むとシャマルはそれ以上その話題には口をつぐんでしまった。

「そうだ、お前がディーノの部屋を出るなら俺がお前のために部屋を用意してやった」

そう言ってテーブルに鍵を投げ出す。

獄寺は長い鎖をつけられたルームキーを持ち上げて眺める。

「俺を監視するのか?」

「どこまでも信用ねぇんだな・・・それはお前への褒美だ」

シャマルはそう苦笑いをした。


<つづく>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございます。
すごく嬉しいです。

さて、そろそろ解決編というか
色々と謎解き編に突入しないと終わらないです。
そこでキーマンのシャマルの登場となりました。
彼にはそういう役割が似合っていると思います。
でも本当はシャマ獄も好きvv
危なく四角関係になるところでした(笑)
自分サイテー・・・・

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2009年5月25日 (月)

20年桜 真桜-11

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獄寺が店を出ると外ではディーノの部下が車で待っていた。

どうやら電車に乗る自由さえ与えられないらしい。

雲雀も同じ店にいるのだから当然といえば当然かもしれないが

獄寺にとってはまたひとつ自由が奪われてしまった。

「お待ちしておりました」

獄寺を乗せようと黒いスーツの男が車のドアを開けて待っている。

獄寺も自然とその方向に歩いていくと

その腕を誰かに掴まれた。

「?!」

獄寺が振り返ると店長のシャマルだった。

「ちょっと待て、まだお前を帰すわけにはいかねぇんだ」

その様子を見ていたディーノの部下の男はそこに駆け寄ってきた。

「お前はディーノに頼まれたのか?それなら俺はここの店長だ。隼人は今日は俺の車で間違いなく送り届けてやるから今日は帰って良いぞ」

シャマルは口元を上げて笑った。

男はとまどっていたが獄寺が背を向けて

「そう言うことだから帰れ」

と店に引き返していってしまったので車に乗った。

だがそのまま車を発車させようとはしない。

どうやら2人の行動をそのまま監視する気のようだ。

獄寺は振り返って車が動く気配がないのでそれを見て軽くため息をついた。

「大丈夫か隼人」

シャマルがそんな獄寺を見て思わずそう言うと

獄寺は首を横に振った。

2人は店の店長室に戻って行った。

シャマルの後ろについてドアを閉めるとソファーに座った獄寺は

テーブルに置かれていた煙草を1本取り出して火をつけた。

獄寺の吸っている煙草はシャマルと同じ銘柄だった。

獄寺が煙草を覚えたのはこのシャマルの影響で

煙草はシャマルの吸っているものをこんな風にいつも当然のように吸っていた。

「最近のディーノはちょっとやり過ぎみてぇだな。お前の体に痕が残るようじゃ俺もそうそう黙っちゃいられねぇ。」

シャマルが獄寺の首筋のシャツから覗く赤い痕跡を見ながら言った。

獄寺は何も言わずに煙草の煙を眺めている。

「お前はどうなんだ隼人」

「どうって、この仕事か?」

シャマルも煙草に手を伸ばすと自然と獄寺はシャマルの煙草に火をつける。

「ディーノのことだ」

「嫌いじゃない。多分。でも」

そう言って獄寺は視線をそらした。

「雲雀が気になるか・・・」

「違うけど・・・雲雀は」

シャマルの言葉に獄寺自身が少し驚いている風だった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をパチパチすごく嬉しいです。
皆さんはどのCPのファンなのでしょう?
このブログというか拍手はどれに対してかわかればいいのになぁ~

夏コミ受かるかわかりませんが
69執事の再編集をしています。
今読み返すとかなり荒い文章なので肉付けするとそれだけでページ数が増えそうです。。。
でもいずれオフで出したい。ストーリーは多分大幅に変わると思いますがラストシーンは気に入ってるんだよな~

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2009年5月22日 (金)

20年桜 真桜-10

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一体口づけにどれほどの時間を費やしたのだろう。

ディーノが獄寺の唇から離れると

獄寺はへなへなと床に座り込んでしまった。

ディーノはそんな獄寺の背中に腕を回してソファーに座らせた。

雲雀はその横に立ってディーノを黙って見つめていた。

「何か言うことあるんじゃない」

獄寺の顔にかかる髪を丁寧に払いながらディーノが横に立っている雲雀をチラッと見た。

「言いたいことがあるのは君でしょ」

雲雀は獄寺を見つめている。

獄寺は潤んだ瞳を半分だけ開いて呆然としている。

まるでキスに酔ってしまったようだった。

「ああ、山ほどある。でも俺は隼人がいればお前に言うことなんかどうでもいい。けどこう見えても育った環境のせいか、礼儀とかそっちはうるさくてね」

まだ獄寺の顔を見飽きないように目を離さない。

「雲雀・・・お前は何も言わなくて良い」

ソファーから正面に見える雲雀に獄寺が口を挟んだ。

「ふうん」

雲雀は一言そう言うと控え室のドアに向かう。

「俺が言いたいのは、せめてここで働くなら挨拶ぐらいしてもいいんじゃねぇかってことだ。雲雀恭弥」

フルネームでディーノに呼び止められると雲雀が振り返った。

「なんだそのこと」

雲雀がつかつかと戻ってディーノの前に立つと獄寺も立ち上がった。

「今度この妖精の薔薇に世話になることになった雲雀恭弥。僕は群れるのは嫌いだからあまり接触はないとは思うよ。」

頭を下げるわけでも握手を求めるわけでもなく

雲雀はそれだけ告げるとまたきびすを返す。

「あ、それから・・・僕の前で今みたいなことはもうやめてくれないか。不愉快だ」

その前まで自分が獄寺にしていたことは除いてディーノに対してそう言った雲雀にディーノはクスッと笑った。

「滅茶苦茶だな」

獄寺も呆然と立ったまま雲雀の背中を見送っていた。

「なぁ隼人、不完全燃焼じゃね?」

ディーノはソファーに腰を下ろすと横に立っている獄寺の手首を引っ張って

自分の上に座らせた。

「続きしようぜ」

獄寺の頬に両手を添えた。

獄寺はディーノの手を掴んで自分の顔から離した。

「やめろ、うぜぇんだよ」

「あーあ、そんなにあの雲雀はうまいのか?」

微笑むディーノを獄寺が睨みつけた。

ディーノはスッと立ち上がる

「とりあえず今日俺はアフターびっちり終わってから帰るけど、部屋でおとなしく待ってろよ」

つい先ほどまでの笑顔はすっかり消えていた。

そのままフロアに消えていった。

ディーノは時に背筋が凍るほど冷たい目をすることがある。

雲雀も鋭い瞳を持っているが、それとは違う種類の冷酷な瞳。

獄寺はディーノのその目を久しぶりに見て

彼が本気であることを改めて確認した。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
Web拍手を押していただいて本当にありがとうございます。
ポチポチ嬉しいです。vvv

さて、何というかどういう場面か
進まなくてスミマセン
この章は雲雀×獄寺なのに
展開がおかしい。。。
多分今日の健康診断のせいでお腹がおかしいからだと思います(笑)

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2009年5月21日 (木)

20年桜 真桜-9

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雲雀は獄寺の顎を持ったまましばらくその瞳を見つめていたが

それに飽きてしまったようにその手を離して瞳をそらした。

獄寺は取り残された寂しさのようなものを感じずにはいられなかった。

心のどこかで雲雀がそのまま唇を重ねてくると思っていた。

そんなことを少しでも考えていた自分に驚きを隠せずに動揺した。

雲雀は何も言わないで目の前に置かれていた雑誌を手に取って

読むわけでもなくペラペラとページをめくっている。

獄寺はそんな雲雀の顔を盗み見るが

雲雀はもう獄寺の顔を見ようとしない。

獄寺は僅かに震える手を雲雀の頬に伸ばした。

今度は雲雀が驚いて瞳を見開いた。

獄寺はそのまま両手で雲雀の頬を包み込むと自らの顔を雲雀に寄せた。

真っ正面からのぞき込んでくる透き通った翡翠の瞳に

雲雀は目眩のようなものを覚えて伏し目になった。

いきなり雲雀の唇に柔らかい感触と獄寺の若草のような柑橘系のコロンが鼻をくすぐった。

獄寺は自ら雲雀に口づけてきた。

雲雀の唇を舌で舐めるといきなりその唇が開き獄寺の舌は雲雀の舌に絡め取られた。

雲雀の口の中へと誘導されて今度は雲雀の舌が獄寺の口の中に入り込んでくる。

大きく口を開けながらお互いにキスを堪能する。

全身が雲雀を欲するように獄寺は雲雀の背中をかき抱いていた。

一方雲雀は手にしていた雑誌を床に落として、片手で後寺の腰をもう片方で獄寺の髪をかぎ乱した。

しばらくそうしてお互いをむさぼり合っていると

控え室の扉が勢いよく開かれた。

入口に誰かの気配は感じられるが2人は無視してキスを続行していた。

するとその人物は2人の横に立って強引に獄寺の腕を掴んで雲雀から引きはがすと

そのまま抱きしめてその唇を塞ぐ。

その噛みつくような口づけには獄寺は慣れていた。

(ディーノ・・・・)

獄寺は糸の切れた操り人形のように動かなくなると

ディーノは獄寺強く抱きしめて口づけながら雲雀を見た。

その挑発的で笑いを含んだ瞳は雲雀に

「お前なんかには絶対に渡さない」

と語っていた。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございました。
嬉しいです。ちなみに山本ファン?それとも雲雀?

わぁ~キスのシーンって好きだから
延々と書き続けられそうで自分が怖いです。。。
変態過ぎてごめんなさい。
普通こういう小説って恥ずかしいですよね~(照)

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2009年5月20日 (水)

20年桜 真桜-8

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「おはようっす!」

獄寺は店の入口に着くと若手に挨拶をした。

「あ、獄寺さん、ご無事で」

どんな噂が流れていたのか知らないが

店の若手は皆獄寺が普通に現れたことに驚いていた。

大体が予想はついたがその予想を裏付けるように

カウンターから山本が声をかけてきた。

「獄寺?よかったやっとディーノさんに解放されたんだな」

獄寺はしかめっ面を山本に向ける。

「やっぱりろくでもねぇ噂か」

そのままカウンターに座ると灰皿を引き寄せて煙草に火をつけた。

「だってお前、突然消息がわからなくなったら誰だって心配するぞ」

獄寺にドリンクのグラスを差し出しながら山本が微笑んだ。

「でも、無事で安心した。色々あったからディーノさん今度こそ強行手段に出たんじゃねぇかと思って心配してんたんだ。バジルと一緒に獄寺救出作戦とか考えてたぜ」

「馬鹿かてめぇら」

まんざら嘘でもないと思いつつも獄寺は軽く受け流した。

そこに突然山本が獄寺の手首を掴んでシャツのをめくって腕を見た。

そこにはくっきりと手錠の痕がまだ残っている。

「・・・っ・・」

「あ、可愛そうにな。思った通りだぜ。ディーノさんって普段穏やかな分、ちょっと異常な時があるんじゃねぇかと思ってたけど」

「離せ!!」

獄寺は掴まれた腕を引いてシャツのボタンをきちんとしめた。

山本が辛そうに笑う。

その表情から自分が哀れみを受けている気がしていたたまれなくなって

獄寺は灰皿に煙草の火をもみ消して立ち上がった。

「おい、まだ話はこれから・・・」

何か言おうとした山本を無視して獄寺は控え室を目指して歩き始めた。

(全く、バレてんじゃねぇか・・・こんな恥ずかしいこと人に知られたくなかったってのに、バカヤロー!!)

獄寺は片手で顔を押さえながら控え室のドアを開けた。

「やあ、来たね」

そこには雲雀が座っていた。

「雲雀」

「おいで」

雲雀は獄寺の瞳を真っ直ぐに見つめて暗示でもかけるようにそう言った。

獄寺は本当に暗示にかかってしまったかのように

そのまま雲雀の横に座る。

「どうして出て行ったの?」

雲雀は獄寺の頤をつかんでその瞳を間近でのぞき込んできた。

「僕はずっと君を待っていてやっと手に入れたばかりだというのに

君はあっさりと僕を裏切るね」

雲雀の瞳は冷たく光った。

獄寺はそれは違うと言いたくても言えなかった。

事実、ディーノの部下が乗り込んできたときには自ら雲雀の部屋を後にしたのだから

それにどんな理由があったとしてもそれは結局言い訳にしか聞こえないと

思ったからだった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいて感謝しています。
ありがとうございます。

前回新章にアップしましたが
少し思い直して前回の章を撤回します。
色々と読み返すと、ところどころ辻褄が合っていなくて
読まれている方が「あれっ?」と思われる箇所が多々ありました。
もう、今に始まったことじゃないのですが(汗)
ちょっと言い訳すると
当初考えていた1本のストーリーから登場人物がらみで
今回の場合だと本来は雲雀と獄寺だったんですが
ディーノと獄寺の絡みが書きながらおもしろくなり
2本の軸にしたところからミスが始まりました。
結局どっちにするのか迷いながらストーリーを進めているため
気分で最終地点が入れ替わったりしました。
そのためにあっちこっち不安定なストーリーになってしまったのでした。本当に申し訳ないです。。。。
けど別にオフ本じゃないし
書き直す気もしないのでこのままにします。
こんな手抜きでも読んでいただける方がいらっしゃるので感謝しております。
いずれビシッとオフで本を出したいと思っています。


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2009年5月19日 (火)

20年桜 真桜-7

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獄寺は雲雀とあの海辺のホテルを脱出した。

しかし雲雀が外出するとすぐに雲雀の家にディーノの部下がやってきた。

どうやら脱出したときからずっと監視されていてつけられていたようだ。

雲雀が外出するとすぐに獄寺はまた連れ去られてというか

素直に元のディーノの部屋に帰っていた。

----------------------------

「どちらへお出かけで?」

服を着替えている獄寺にロマーリオが声をかけた。

「俺も店に出る」

こんなところで監視されているよりははるかにましだと獄寺は思っていた。

「それじゃあ俺がお送りしやしょう」

ロマーリオは車のキーをポケットからちらつかせる。

「勝手にしろ」

獄寺も半ば呆れながら鏡をのぞいて髪をチェックした。

「わかりやせんね」

運転席に座ってハンドルを握りながらロマーリオが呟いた。

「あんたはどうしたいんだか、本気でディーノから逃げたいんだったら

頭の良いあんたならどうにでもできたものを。結局あんたはディーノに惚れてるんすかね」

獄寺は後部座席に座って少しだけ窓を開けて外の風に銀色の髪をなびかせていた。

何も言わずにその髪が乱れるのをしきりに気にしている。

「ディーノもあんたを見ているといじめたくなるんすよね。きっと」

伏し目がちに窓の外を眺める獄寺をバックミラーに映して見て

ロマーリオは続けた。

「その瞳が涙で歪められた顔を見たくなる気持ちがわからねぇでもないでさぁ」

獄寺はミラー越しにロマーリオを睨んだ。

「俺はそんな風に扱われることが何よりも嫌いだ」

一言そう言ってまた外を眺める。

「あいつはうぜぇから・・・」

窓を眺めながら呟く獄寺の瞳はなぜか優しかった。

<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいて嬉しいです。
ありがとうございました。

さて結局獄寺はディーノに連れ戻されました。
もう、獄寺君の浮気者!!とか思わないでくださいね。
作者が優柔不断だから悪いんです(土下座)
というかBLって1対1じゃなくてはいけないという考え方が違うような気がします。
同時に2人でも3人でもいいんではないかと・・・
獄寺君はみんなに愛されるのが好きなんですよね~
でもエロ絡みすぎでスミマセン反省してます(苦笑)

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2009年5月18日 (月)

20年桜 真桜-6

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どこから聞きつけたのか

この日のフェアリーローズには雲雀の客が後を絶たずに訪れていた。

ディーノは一番奥のVIP席で上客の相手をしながらくるくると動く雲雀を眺めていた。

「ねぇ、彼は新顔?」

ディーノの客がそれに気づいて尋ねた。

「まぁ、そんなところです」

ディーノが微笑むと彼女は煙草を手に持った。

すかさずディーノはライターで彼女の煙草に火を付ける。

「ふうん」

彼女はIT関係の敏腕社長で名を静名という。

ディーノの客の中で科野と1、2を争う上客である。

「お気に召しましたか?彼をここに呼んでみます?」

ディーノの提案に静名は首を振った。

「いえ、いいわ。しばらくこうして眺めるのも悪くはないから」

するとディーノは彼女の横で肩を抱いた。

「あなたらしい回答だ。俺はそんなあなたが好きですよ」

「あら、一体何人の客に同じことを言うのかしら、この口で」

と静名はディーノの唇に触れる。

するとディーノはその唇で静名の唇を奪った。

フロアの席でその光景を見た雲雀は眉根を寄せた。

「どうしたの?」

雲雀の客が気づいて雲雀の顔をのぞき込むと

雲雀は

「いえ、なんでも」

と客の顔を眺めた。

決して愛想が良いわけでもなく

お世辞を並べ立てるわけでもない雲雀は

ホストとしてはディーノとは対照的だった。

それでも客の女性達は優しくて愛想の良いディーノとクールで無口な雲雀に人気が集まっていた。

「何かおかしくないでござるか?」

バジルは科野以外のディーノの客にはあまり同席はない。

カウンターで山本に愚痴っていた。

「何が?」

山本がグラスを片手に微笑むとバジルは続けた。

「獄寺さんが来なくて、かわりにあの雲雀さんがうちの店に入って

どうしてディーノさんとはりあっているのかでござる」

「獄寺どうしてるのかな」

その言葉に山本は遠い目をしていた。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を送っていただきまして
ありがとうございます。
すごく嬉しいです。

ちょっと更新が遅れたので
早めにアップしてみました。
朝からホストクラブ書いてる自分って(笑)

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2009年5月16日 (土)

20年桜 真桜-5

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「ここに入りたい?」

フェアリーローズのオーナーのシャマルはそう言って眉間にシワを寄せた。

「うん、悪い話しじゃないと思うよ」

「ああ、だがブルーバタフライはどうする?きちんと話しは付けてきたのか?」

「いや、何も言ってないよ」

「それじゃあ、先方さんも黙っちゃいねぇだろ」

雲雀はフェアリーローズでホストとして働きたいと言い出したのだった。

「それなら俺が何とかしよっか」

そこに準備のために現れた山本が突然口を挟んだ。

「何とかって、どうするつもりだ」

「いや、あっちの店のスクアーロは俺の昔っからのダチでさ」

山本はそう言って頭をかいた。

「しかし、いくら知り合いだからって№1の雲雀をそう簡単にライバル店に見送ったりできるものか・・・」

シャマルがため息をついた。

「別に僕がどこに行こうとそんなのは貴方達に口出しする権利はないよ。僕からオーナーに話しておくから余計な心配はしなくてもいいよ」

雲雀はそう言って控え室へと向かう。

「そう言うけど、待て!」

雲雀はシャマルが呼び止めるのも聞かずに控え室に入っていった。

「おや、何の用?」

いつもならいないはずのディーノがこの日に限ってなぜか控え室にいた。

普段は同伴でこんな時間に控え室にいることはほとんどないはずなのに

この日に限ってディーノは同伴を入れていなかった。

「今日からここに世話になるよ。よろしくね」

雲雀はディーノに微笑んだ。

「ここに来て何をしようってんだ?俺から隼人を奪っただけじゃ不満か?」

ディーノの瞳が鋭くひかる。

「どうせ今頃君の部下が取り返しに来てるんでしょ。いいよ僕は」

雲雀はそこまで言ってロッカーのドアを開けた。

「とりあえず今日から容赦しないからね」

「それはこっちのセリフだ」

ディーノは口元を上げて笑った。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を送っていただいてありがとうございます。
いつも同じ事ばかりで申し訳ありませんが
すごく嬉しいです。がんばれます。

さて、雲雀とディーノが大接近です。
でもこの2人のお話に発展はしませんので・・・
あくまで獄受けストーリーです。

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2009年5月14日 (木)

20年桜 真桜-4

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

ぐったりと眠る獄寺を抱きかかえながら雲雀は獄寺に服を着せた。

と言ってもきちんと着せたわけではなく、

肌が隠れる程度に羽織らせてボタンを閉めた。

テラスに向かって口笛を吹くと黄色い鳥が雲雀の肩に止まった。

雲雀はしばらく鳥のくちばしに指をあてて戯れてから

また鳥を窓の外に放す。

程なくしてテラスから背の高い男が入ってきた。

「お待たせしました恭さん」

「いや、丁度良いタイミングだよ。彼を頼んだよ」

雲雀は獄寺をその男に託した。

獄寺はぐっすりと眠っていて気づかない。

彼は獄寺を肩からかついでもう一度テラスから獄寺を縄で縛り付けて

そのまま下に下ろしていく。

それでも獄寺が目覚めないのは雲雀の最後の口づけに睡眠薬が含まれていたからだった。

2人が出て行くと雲雀もテラスから外に出た。

夜が明けるまであと数時間の出来事だった。

「・・・・?!」

ディーノが部屋に戻って獄寺がいなくなっていたことに気づくと

ロマーリオはその後ろに立って微笑んだ。

「どうせ居場所はわかってまさぁ。ディーノが迎えに行くのもまた一興じゃねぇですか」

するとディーノも微笑んだ。

「それも新鮮で良いかもしれねぇな。しばらく放っておくか、けど・・・」

ディーノがロマーリオに向き直った。

「はいはい」

ロマーリオは雲雀と獄寺の行動を探るために部屋を出て行った。

「ちょっと寂しくなったなぁ~真面目に仕事でも行けってことかな」

ディーノはそう言って仕事専用の携帯電話を取り出すと電話をかけ始めた。

「ハイ、俺だけど。今晩暇?」

同伴の予約を入れるために常連客に電話を入れ始めた。

相手は思いがけない電話に喜んで承知していた。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
Web拍手を押していただいてありがとうございました。
すごく嬉しいです。

もうすぐカウンターが35000HITになります。それまでにはtopのイラストを変えられるといいなぁと思います。

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2009年5月13日 (水)

20年桜 真桜-3

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「もういいよ」

雲雀が獄寺のこめかみに口づけながら呟くと

獄寺は雲雀の雄から口を離した。

今度は雲雀が獄寺の体をソファに横たえてその足を大きく広げさせる。

「あ、」

獄寺は恥ずかしい部分が露わになって顔を背けた。

雲雀はその頭を真っ直ぐに戻した。

「ここで僕を受け入れてくれるんでしょ。ちゃんと見ていなよ」

と自分の雄を押しあてる。

熱くたぎる雲雀の雄が獄寺の秘められた窄まりにあてられると

獄寺の体がビクンと反応する。

雲雀はゆっくりと体を進めてきた。

「わぁ・・・んんん・・・くっふぅぅ・・・ああああ」

獄寺がソファのクッションを握りしめていると

雲雀がその手を取って指を絡ませ手のひらを合わせる。

獄寺は雲雀の手を強く握りしめながら瞳を見開いた。

徐々に埋め込まれていく雲雀の楔に耐えながらその頬を涙がつたう。

「あああ・・・んんん・・・」

完全にそれが埋め込まれると雲雀は両手を獄寺背中に回した。

「動くよ」

雲雀が埋め込まれた楔を抜き差しを始めると

獄寺の口からは甘い声が漏れはじめた。

「や・・あ・・・ああ・・・・」

雲雀はあやすようにその耳元や頬に口づける。

ディーノとは違った快楽が獄寺を飲み込んでいく。

雲雀のそれはどこまでも甘く優しい。

決して無理をするわけでもなく、誰かに見られているわけでもない。

雲雀と2人きりで拘束することもなく優しく獄寺の手を掴んでくれる。

体中が熱い。

「あっ・・やぁっ」

雲雀の楔で体の中をかき回されながらやんわりと獄寺の雄を握り込まれた。

先からは止めどなく流れ出す蜜が雲雀の手を濡らしている。

湿った手で雄をしごかれると気持ちよさが頂点へと上り詰めていく。

同時に下から思い切り突き上げられて

ついに白い欲望を雲雀の体にまき散らした。

雲雀はその蜜を指ですくってペロンと舐めてから

獄寺の片足を高く持ち上げて斜めに突き上げてきた。

「ああ・・やめ・・・んんああ・・んん」

体中が泡立つような快感の波に身を任せながらぐったりと雲雀に揺さぶられていると

雲雀の動きが速くなってきた。

一瞬強い力で腰をかき抱かれると

「くっ」

と短い声をあげて雲雀は獄寺の中に欲望を吐き出した。

そしてもう一度雲雀の唇が獄寺の唇に重なってきた。

夜はまだ始まったばかりだった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。

久しぶりのヒバ獄エッチ場面でした。
ディーノはHの時Sですが
雲雀はHの時はやけに優しいとかいう設定です。
それにしてもこの話エッチ場面長すぎて多すぎませんか?
やたらグタグタとエロ小説でスミマセン。。。
おかげでストーリーが全然進まないってどういう事でしょう(汗)

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2009年5月12日 (火)

20年桜 真桜-2

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。


「何か言ったか?」

「別に」

繰り返されるキスに雲雀の息づかいが聞こえたのか

雲雀は黒いシャツを羽織っただけの姿で肌が擦れ合う。

どうしてこう男ばかりに・・・と思いながらも

なぜか心地良いのは余計な言葉がいらないからか

「ねぇ」で始まる雲雀の言葉も嫌いじゃないけど。

雲雀の指先は獄寺の髪の間に入りそれを梳く。

遠い昔の記憶を呼び起こされたようで懐かしいその仕草に目を閉じる。

「君って猫みたいだね」

何度も髪を剥きながらそう言って額に口づけが落とされた。

どういう訳かロマーリオも入ってこない。

ディーノの部下もディーノが不在だと少しは羽を伸ばしているのだろうか

それともどこかで黙って監視をしているのかもしれない。

それはそれでかまわないと獄寺は思っていた。

雲雀の片手が獄寺の背中に回って抱きしめられる。

髪を撫でていた手もその頭を抱え込んだ。

今度はまた激しい口づけに変わっていく。

唇から耳へ耳から首筋へ肩を通ると胸へと降りてくる。

「あんっ」

胸の突起に吸い付かれて舌で転がされると

獄寺は思わず鼻にかかる甘えた声を漏らした。

その声が嫌で片手で自分の口を塞いでいた。

雲雀はその反応に気づいてか軽く歯を立てる。

「はあん・・」

また声を漏らすと何度もその場所を責め立てた。

片方だけ刺激しているともう片方は放置されているにもかかわらず

ツンと尖っている。

そこに雲雀の指先が伸ばされて摘まれた。

その行為が交互に行われると真っ白い獄寺の胸に赤く染まった乳首が嫌らしく浮かび上がる。

「もう・・そこ・・や・・・」

痛いくらいに硬くなった胸の突起は少し雲雀が触れただけでも

敏感に獄寺の神経を刺激する。

それは下腹部へも通じていた。

「・・・っ・・・」

雲雀の手のひらが獄寺の下着に包まれた雄を掴んだ。

既に硬く熱を孕んだ花茎を避けて袋をやんわりともみ始める。

「ああ・・やぁ・・・んんん」

雲雀の瞳が獄寺の顔をじっと見つめている。

見られていることは知っていても普通の顔にはなれない。

雲雀はわざとやわやわとそこばかり刺激する。

花茎からはとろとろと蜜が溢れだして、下着にシミを作っていく。

雲雀はその下着をはぎ取った。

「あっ」

突然晒された下肢を雲雀は見つめながらまだ花茎には触れようとはしなかった。

胸の突起をクリクリと摘まれながら袋を揉まれて唇を塞がれる。

口の中に雲雀の舌が歯の裏を丁寧になぞりながら舌を絡め取る。

「う・・んん・・・くぅぅ・・・」

獄寺はすすり泣くような声を出していた。

「どうしたの?」

意地悪く口元を上げる雲雀に獄寺は雲雀の雄をまさぐった。

雲雀の雄も熱を孕んではいたが獄寺はそこに唇を寄せて咥える

それだけでドクンと硬くなった。

獄寺が雲雀の雄を舐めていると、その髪を雲雀はまた梳くように撫でている。

それがたまらなく心地よくて獄寺も雲雀の雄を夢中で舐めていた。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただき
ありがとうございました。
すごく嬉しいです。

さて、またしてもエロ突入です。
何かパターンがワンパターンでスミマセン。。。
何度書いても恥ずかしいです。
絶対読まれる方とは顔を会わせられないなぁ
と思います。

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2009年5月11日 (月)

20年桜 真桜(まざくら)-1

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。


獄寺がメールの返事を見てから1時間後

テラスの窓に黒い人影が映った。

「遅かったじゃねぇか」

獄寺はソファに座ったまま声をかけた。

「まさかこんなところまで僕が出向くとは思わなかったよ」

暗闇から姿を現したのはなぜか雲雀だった。

「ああ、いいところだろ」

口元をあげて笑う獄寺の側に来た。

「ふうん、あの男は顔に似合わずSなんだね」

獄寺の手首に残った手錠の痕や体のあちこちに残る打撲の痕を指先で触れる。

「・・・っ・・・」

獄寺は時々痛みに顔を歪めた。

「それで君はどうしたいの?ここから僕に救出でもされたいわけ?」

ここまで来ておいてそんなことを言うのは雲雀らしい。

獄寺はソファの横を示して雲雀を座らせた。

「いいや、出るのは無理かもしれねぇ。でもここに座って一緒に海でも眺めながら静かな波の音でも聞かねぇか?」

雲雀は獄寺の顔を不思議そうに眺めている。

ふっと寂しそうな瞳の獄寺の頤をつかんで顔を寄せる。

そのままソファに覆い被さるように獄寺の唇を塞いでいた。

「・・・ひ・・ばり・・・ここで・・俺を抱けるか?」

獄寺の問いかけに雲雀の瞳がキラッと輝いた。

「ふっ、あたりまえじゃない。もう20年も前から僕は君を待っていたんだよ」

「20年前?」

しかし、雲雀は獄寺の問いかけには答えずに獄寺の唇を塞ぐ。

噛みつくような激しい口づけは獄寺の体をしびれさせる。

獄寺の両手が雲雀の背中をかき抱くと

雲雀は獄寺の着ていたシャツのボタンを外して白い首筋に新たな痕跡を刻み込んでいく。

「君は痛いのが好き?それとも女みたいに優しくされたい?どっちが好み?」

そんなことを聞かれて獄寺の頬が赤くなる。

「そんな恥ずかしいこと聞くな馬鹿ヤロー」

「誘っておいて今更・・・ま、それが君の魅力なんだけどね」

雲雀は獄寺にもう一度優しいキスを落とした。

獄寺はその口づけを交わしながら

雲雀とならずっとキスだけでも良いと思っていた。

雲雀はそんな獄寺の心でも読むかのように唇で彼の顔や耳首筋、肩、腕、胸などを丁寧に愛撫する。

やはりこの男も№1ホストの素質を持っているらしい。

獄寺は海の波のように雲雀にその体を預けていた。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただきまして
ありがとうございます。
ずこくいごーく感謝しております。

さて、いよいよ次の章に入りました。
ここからはヒバ獄のターンです。
獄寺君は一体どうしたいのでしょう?
どうして雲雀だったんでしょう?
もう、色々と謎が多すぎて書きながら忘れそうで怖いです(汗)
どんな小説だよ~と思われるかも知れませんが
結局思いつきです(笑)
ただもともとこれはヒバ獄小説の予定がディノ獄のターンが気に入ってしまい
そうなってしまったので・・ああ、いいですよね~黒ディーノ
白雲雀とかまるで逆の展開です。

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2009年5月 8日 (金)

20年桜 薄墨桜-8

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「殺し屋?なんだそれ」

「家柄が家柄だけにいろんな方面から煙たがれることも多いんです。ここキャバッローネには特別なチームが在籍しています。もちろんディーノに近づく子供の一人一人まで調べているわけで、そのアネモネという子供の素性もわかってやした。」

獄寺の両方の目が見開かれる。

ロマーリオは穏やかに続けた。

「最初に現れたときからわかっていて警戒はしていました。屋敷を訪れた彼は初めて牙をむいた。それをディーノは気づかなかった。」

「彼?少女じゃねぇのか?それで殺ったのか?」

「いいえ、生きていますよ」

ロマーリオの視線が真っ直ぐに獄寺に注がれた。

「あんたは全てご存じかと思っておりやしたが・・・だからディーノのひどい仕打ちにも耐えていらっしゃるのだと」

ロマーリオは獄寺の手首を掴んだ。

「えっ?!」

獄寺の瞳が恐怖に揺れた。

「どうする気だ・・・」

「どうもしやせん。ただ、あんたには一生ディーノの側で償っていただきやしょう」

「何の話だ。どうして俺が、似ているだけで?」

獄寺の手首を掴んだロマーリオの手の力が強められた。

「どうしてですって?今言ったばかりですけど。キャバッローネには色々なチームがいると、まだしらばっくれるんですか?アネモネ」

「俺は知らない」

獄寺にロマーリオが詰め寄ってくる

「そうでしたか、どうやらあなたの記憶が失われたというのは本当らしいですね」

「・・・っ・・・」

ロマーリオの手が獄寺の頬を掴んだ。

そこに顔が近づいてくる。

「俺をどうする気だ」

「言ったでしょう。一生ディーノの側から逃がさないと」

今まで優しかったロマーリオの瞳が急に冷め切って見えた。

近くで見るとこの男の瞳はひどく冷めきっている。

それこそ殺し屋のような瞳の色だった。

獄寺はそんなロマーリオの瞳をじっと見つめていた。

「・・・んっ?・・・」

獄寺の唇をロマーリオが塞いでいた。

しかしそれはすぐに離れた。

「いけやせん。つい・・ディーノに知れたら殺される・・・でもあんたの瞳は危険ですな」

「てっめぇ!」

獄寺は手の甲で唇を拭うとロマーリオから離れた。

「もう行きやしょう。ああ、くれぐれもここから逃げ出すなんて考えちゃいけやせんよ」

そう言うと部屋を出て行った。

しかし、獄寺の気持ちは決まっていた。

一生ディーノの側にいることなんて多分できない。

俺には取り戻さなければならない大切な記憶があったはずだ。

携帯電話を探し出すとメールを打った。

するとそれを待っていたように返信メールが来た。

「すぐにそこに行く」

メールにはそう書かれていた。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございます。
すごくすごーく感謝しています。

さて、ロマ獄っぽい展開失礼しました。
獄寺君の顔を見ているとみんなキスしたくなっちゃう
魔性の男。。。。(笑)
いつかそんなパラレル書きたいなぁ~

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2009年5月 7日 (木)

20年桜 薄墨桜-7

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

この別荘に滞在している間毎日、ディーノはアネモネと会っていた。

しかし、アネモネは決してディーノがいる別荘へは来ようとはしなかった。

ディーノも少しだけ不思議に思ったが大して気にもしていなかった。

そんなある日一度だけアネモネが別荘に遊びに来た。

「めずらしいね。入ってよ」

ディーノは嬉しそうにアネモネを部屋へ案内すると

アネモネもディーノの後ろからついてディーノの部屋に入った。

「何して遊ぶ?ゲームする?」

「ディーノが一番好きな遊びが良いな」

ディーノはふと今日のアネモネはいつもより元気がないような気がした。

でもそう言いながらディーノとゲームを始めるといつものアネモネに戻っていて

すぐにそんな心配はなくなっていた。

「そろそろ帰るね」

まだ時間もそう遅くはなかったがアネモネは急に立ち上がった。

「え、まだ大丈夫じゃない?」

ディーノはアネモネに帰られてしまうと寂しくて引き留めた。

「何なら今日は泊まっていってよ」

「それは・・・」

ディーノの提案にアネモネはとまどっていると横から見かねたロマーリオが声をかけた。

「親御さんへは私が連絡しやすからどうです?今日はひとつディーノにつきあってくれやしませんか?」

実は今日の2月4日はディーノの誕生日だった。

アネモネはそれを覚えていてわざわざ遊びに来てくれたのだった。

「うん、それなら今日だけ。でも家には自分で連絡するから」

ディーノは嬉しそうにアネモネに抱きついた。

「グラッチェ、アネモネ」

そう言って頬にキスをするとアネモネは真っ赤になってディーノを引き離した。

「なななななななにをする!!!」

明らかに動揺するアネモネは一段と可愛らしかった。

ディーノはこのときからアネモネにほのかな愛情を感じていた。

楽しかった誕生日から2日が過ぎて

急にイタリアの父親から別荘を引き上げるように通達が入った。

ディーノはアネモネに連絡しようとしたが

いざ連絡を取ろうにも、今までいつもアネモネからの一方的な連絡ばかりで

ディーノはアネモネへの連絡先を知らなかった。

会いに行こうとしたところ突然ロマーリオに遮られた。

「どうして?!」

「時間がありやせん」

ロマーリオはそう言ってディーノを無理矢理車に押し込みこの別荘を後にしたのだった。

それ以来、ディーノがその別荘に行っても

アネモネの姿はなく、そのまま何年も会うことがなかった。



「何で急に引き上げたんだ?」

獄寺はロマーリオに尋ねた。

「殺し屋の一味だったんでさぁ」

ロマーリオの言葉に獄寺は持っていたフォークをテーブルに落として

派手な音を立てた。


<つづく>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいて感謝しています。
すごく嬉しいです。
さて、ディーノの過去の話になってしまいました。
色々と絡み合ってホストがどこへやら・・・
いやいやまた戻りますのでもうしばしお待ちください。

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2009年5月 5日 (火)

20年桜 薄墨桜-6

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「お父様もお母様も嘘つきだ。僕は出て行ってやる!!」

「お待ちください!!ディーノ!!」

ディーノは南フランスの別荘にいた。

両親が久しぶりに揃って休日を取れたからと言って

家族でバカンスを楽しんでいた。

しかし父親に急な国賓がイタリアに来るから戻れと言う連絡が入り

父親は戻らなければならなくなった。

せめて母親と2人でと思っていたら

今度は母親にも急に親類に病人が出て帰国を強いられた。

ディーノが遊びから戻ってくるともうそこには両親の姿はなかった。

ディーノが楽しみにしていた両親との休日がなくなったことはこれが最初ではなかった。

いつだって必ずこんな風に突然両親はいなくなった。

幼かったディーノはこんな家に生まれなければもっと楽しく両親と一緒に暮らせたのにと

泣きながら別荘を飛び出した。

ロマーリオが止めるのも間に合わずにディーノは走って行ってしまった。

「どうせ腹が減れば戻ってくるでしょう」

ディーノが出て行ったことも1度や2度ではなかった。

ロマーリオも最初は手をつくして捜していたが、最近ではそう言って探しに行かない。

これまでも気が済むとディーノはずくに戻ってくる。

それ以前に絶対に遠くへは行かないのだ。

この日もディーノは飛び出して別荘から10分くらいの港まで走ってきた。

青い海とそこに浮かんでいる色とりどりの貿易船や客船を眺めながら

ディーノは行き交う人に突き飛ばされてしまった。

「あっ!」

よろめいて転ぶと膝から血がでてしまい、ディーノはそのまま地面に座り込んでいた。

「痛いの?男のくせに情けねぇ奴」

そう言われて顔を上げると目の前にエメラルドグリーンの瞳が飛び込んできた。

キラキラと日の光を反射したその瞳は笑っている。

「誰?」

「誰でもない。丁度良かった。行こう」

そう言われて手を取られた。

ディーノと同じくらいかそれとももう少し幼く見える

大きなエメラルドグリーンの瞳とプラチナブロンドの髪、白い肌と華奢な体つきのその子は上下お揃いの洋服を着ていてどこかの良い家柄の子供に見えた。

「僕はディーノだよ」

「ふうん、ディーノ?どこの子?」

「あの森の近くの別荘だけど」

「あああのお城の子なんだ」

手を引かれて連れてこられたのは港からはそう遠くはない店の前だった。

「ちょっと待ってろ」

その子はディーノを待たせて店にはいるとしばらくして出てきた。

もう一度歩き出して、今度は小高い丘がある草原にやってきた。

「はい、見せて」

小さいのに落ち着いた仕草でディーノを座らせると膝の傷を見た。

さっき買って来た袋から消毒液と絆創膏を取り出して手早く手当てしてくれた。

「ありがとう」

「もう泣くなよ」

「ねえ君、女なのになんでそんな風にしゃべるの?」

「大きなお世話だ」

「じゃあせめて名前教えてよ」

「そうだなアネモネ」

「アネモネ?明日またここで会える?」

ディーノが訪ねるとアネモネが頷いた。

ディーノは立ち上がって周りを見回した。

「ねえ、ここはどこ?」

「お前なぁ、それで明日どうやってここに来るつもりだったの?」

「ロマーリオに連れてきてもらう」

「はぁ?誰?」

「僕の友達」

「ふうん、そうか。仕方ねぇ送ってやる」

「本当?!じゃあうちにおいでよ」

「それはやめておく」

妙に大人びた口をきくその子をディーノは始めて出来た同じ歳くらいの友達だと思っていた。


<つづく>



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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
更新が遅れてごめんなさい。
休みになると遊び回っているのとオフ原稿に追われてなかなかこっちがおろそかになってしまいます。

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2009年5月 1日 (金)

20年桜 薄墨桜-5

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止さていただきます。

一人で過ごす時間は長い。

獄寺は食事を終えてからベッドの上で転がって雑誌を見たりテレビを見たりしていたが

すぐに飽きてしまった。

日の光はまだ海のずっと高い位置にある。

獄寺は窓が一望できるソファーに座って一面に広がる海を見た。

まだ日のある時間にこの景色を眺めるのは初めてだ。

最初の夜にディーノとここに座ったときには

暗かったのにあまりの見事さに息を飲んだ。

昼間は一段と素晴らしい景色を見せる。

遠く沖合に浮かぶ大型客船は日本の船ではなさそうだ。

真っ青な海の中心に白いラインを引いて進んでいく。

時々風が運んでくる潮の香りとカモメの鳴き声

その景色を眺めると少しだけ時間を忘れることができた。

「獄寺さん、獄寺さん」

誰かが呼ぶ声で目を覚ますと

窓の向こうは真っ赤な夕焼けに染まっていた。

これもまた見事な光景である。

水平線に大きなオレンジ色の太陽が水面に映り

何ともいえない色合いを演出している。

獄寺を起こしたのは朝食を運んだロマーリオだった。

昼食を摂らなかった獄寺のために少し早い夕食の準備が整っている。

海を眺めながらあまりの静けさに眠ってしまったようだった。

獄寺はしばらく夕日を眺めてから夕食が支度されているテーブルに座った。

ロマーリオはレストランのボーイのように椅子を引いて待っていて獄寺が席に着くと

椅子を戻してくれた。

「ディーノは?」

夕食までには戻ってくると思っていたのに姿が見えないのでそう聞いた。

「今夜は戻らないのでよろしくといわれておりやす」

テーブルの食器に食べ物を次々とサーブしながらロマーリオが答えた。

「ふうん」

獄寺はそう答えながらもこれはチャンスだと考えていた。

幸いもう手錠も外されているし、洋服も全て返してもらっている。

ディーノも獄寺がもう出て行かないと言ったから安心したのだろう。

ただ、いつまでもひとりでここで待っている気にはなれなかった。

退屈すぎる。

「ところで、少し話してもいいか?」

獄寺がロマーリオに尋ねると、ロマーリオは「何でしょう?」とクビを傾ける。

「朝言っていた少女のことが聞きてぇ」

「それは・・・・」

ロマーリオは言いずらそうに視線を彷徨わせたが、獄寺はロマーリオの答えを待っていた。

ロマーリオは渋々口を開いた。

「あれはまだディーノが5歳くらいのときずさぁ」


<つづく>

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読了、お連れ様でした。
web拍手を置いていただいて
すごく嬉しいです。ありがとうございます。

さて、もうすぐスパコミですね。
私も参加するんですが新刊がない。。。
雲雀さんの誕生日なのでお祝い本無配で作りたいと考えています。
でもどうなることやら。。。

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