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2009年7月31日 (金)

光と風の中で 4

獄寺は雲雀にもらった指輪がとても気に入ったらしく

指にはめるとそれを太陽にかざしてみたり、蛍光灯の光の下に持ってきたりしながらしばらくの間眺めていた。

雲雀はその間ソファーにもたれかかって日本茶を飲みながら獄寺のことを意識することもなく眺めていた。

「失礼します」

そこに草壁が姿を現した。

「なぁ、これどう思う?」

獄寺はドアを開けて入ってきた草壁にまず自分の指輪を見せていた。

草壁はそれを見るとチラッと雲雀の顔を見た。

実はこの指輪は草壁が雲雀に頼まれて買ってきたものだったのだ。

「はい、とてもチャーミングです」

雲雀からは

「悪いけど男向けのそれでいてチャーミングな指輪を頼むよ」

という注文だった。

『男向けのチャーミング』と言われ、哲也は大変悩んだ。これまで17年間生きてきてチャーミングなどという言葉とはほど遠い人生だったからだ。

まさか雲雀の口からそんな言葉が飛び出すとは夢にも思っていなかった。

そこで店に行って店員の若い女性に尋ねたところ勧めてくれたのがこの骸骨に蝶が止まっているデザインだったのだ。

「チャーミング?」

獄寺は草壁の顔を不審そうに眺めてから雲雀の顔を見た。

「てめっ、また草壁さんにこれを頼んだだろ」

草壁が使うには不自然な言葉に獄寺はピンときてそう悟った。

「僕が買いに行くはずないじゃない」

まるで人ごとのようにソファーに足を乗せるとそのまま寝る体勢になった雲雀に獄寺は呆れながらクスッと笑った。

「サンキューな」

草壁に向かっていても視線では雲雀を見つめながら獄寺がそう言った。

雲雀は目を閉じている。草壁は持ってきたコーヒーをテーブルに置いて出て行った。

獄寺ニヤニヤと笑いながらもう一度自分の指にはめられた指輪に目を落とした。

「似合ってるよ」

目を閉じたまま雲雀が呟いた。

<つづく>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
すごく嬉しいです。
今回はギャグ要素が入ってとても楽しいですvv

雲雀はきっと買い物はしないと思います。

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2009年7月30日 (木)

光と風の中で 3

「入るぞ」

慣れた様子でドアを開けた獄寺は応接室に入ってきた。

同時に入口で雲雀のトンファの攻撃をうまくかわした。

「いい加減その身なり何とかずれば」

雲雀は飽きて興味を失ったようにトンファの構えをといて奥のソファに腰を埋めるた。

「うるせぇ、お前らにとやかく言われる覚えはねぇ」

獄寺もそんなことを言いながら雲雀の正面ではなくて横のソファに腰を下ろす。

テーブルを挟んで角になる。

テーブルにはなぜかサンドイッチやら紅茶、日本茶が用意されていた。

雲雀はサンドイッチを手にとって食べ始めた。

獄寺はティーカップを手にして紅茶を飲んだ。

実は朝食を食べてこない獄寺はここでゆっくりと雲雀と朝食をとるのが日課となっていた。

授業など受けなくても獄寺は成績優秀のため教師の間でも暗黙の了解となっている。

雲雀は例外で誰も彼に意見することなどできない。

この朝食もどこかのホテルかレストランからケータリングさせたような豪華な朝食だった。

何かにつけて雲雀は謎の多い男だった。

不釣り合いな2人だったが割と良く気が合うらしくて2人で過ごす時間はお互いにとっても居心地は悪くはないようだった。

だから獄寺も最初呼び出された時は反発していたが、雲雀の朝食があまりに豪華なので、いつからかそれに便乗するようになっていた。

ちなみにこれを用意するのは雲雀の部下の風紀委員副委員長の草壁哲也仕事だった。

これ以外にも草壁は外見からは想像も付かないほど細かいことに気づいてくれるので雲雀は学校で何不自由のない生活をしている。

「そっちもいいか?」

獄寺がローストビーフのクラブサンドを手を伸ばすと親切に雲雀が手渡してくれた。

そんなことを雲雀にさせるのはこの学校、この世界のどこにも獄寺以外いないかもしれない。雲雀は何が良いのか獄寺のことを気に入っている。

だからといって媚びるわけではないが、こうして一緒に朝食をとったり、夕食を用意したり、まるで猫に餌付けして楽しんでいるようにさえ見えた。

「おい、それ俺の大事にしている指輪」

「ああ、もういらないから捨てたんだよ」

「てめっ!!勝手なことするな!!」

そしてすごく些細なことで喧嘩がはじまる。

これも日課で食後の運動のつもりなのだろうか、以外と真剣に殴り合いを始めるために獄寺は体中のあちこちに痣や傷ができている。

一方雲雀は殆ど無傷なのはやはり獄寺との力加減の差があるらしい。

最も雲雀の方が年上なのだから大人げないのかもしれない。

それでも獄寺にとって居心地が良いのは、気負いなくぶつかれるからかもしれない。

「おい、これは何だ」

「前のものより良いと思ってね」

獄寺の手の中に雲雀から渡された袋には新しい銀色の指輪があった。

確かに雲雀が捨てた獄寺の最初の指よりも重みがあって高価そうだ。

しかし、雲雀はいったいこれをどうやって手に入れたのだろう。

自分のために手渡された指輪に獄寺の機嫌が急に良くなった。

「かっけぇぇぇぇ」

指にはめながら満足そうに自分の指を眺めている。

雲雀は大きなあくびをするとソファにまた座った。

<つづく>



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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
頑張りますあと夏コミオフ本ができました。
表紙がキラキラですvv
何かきれいで嬉しいです。

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2009年7月29日 (水)

光と風の中で 2

校門のところまで行くと

風紀委員が校門前で衣服のチェックをしている。

これは毎日の日課だった。

「君、応接室まで来てね」

獄寺の後ろからいきなり話しかけてきたのは3年の風紀委員長の雲雀恭弥だ。

獄寺は校則の服装を守ったことがなくいつも風紀委員にチェックをされている。

これも日課と言えば日課なのだが・・・

ツナは獄寺を見て苦笑いする。

「獄寺君大丈夫?少し雲雀さんの言うこと聞いた方がいいんじゃない?」

「大丈夫っすよ10代目」

ツナは何十回も同じ会話をしている気がしてどっと朝から疲れた。

「よぉ、獄寺また雲雀に呼ばれたのか?」

校門を過ぎてグラウンドの横を歩いている朝練を終えて部室から出てきた山本が声をかけてきた。

「うるせーお前には関係ねぇだろ」

彼もまたいつも同じタイミングで姿を現す。獄寺もいつも同じ事を言う。

「じゃあ、10代目俺は応接室に行きますんで先に教室に行っててください」

「獄寺君クラス違うし」

「はは、そうでしたね。じゃあ」

獄寺が去っていくとツナが苦笑いして山本に話しかけた。

「京子ちゃんから聞いたんだけど、獄寺君朝はいつも1時間目は戻ってこないらしいよ。一体あの雲雀さんと何を話しているんだろうね」

「だな、雲雀は無口なのにな」

山本がそう言って笑った。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
嬉しいです。
さて日常は楽しいですね。そこに潜んでいる非日常がまた楽しいです。でも暑いっすねぇ~

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2009年7月28日 (火)

光と風の中で 1

序章

獄寺隼人は朝起きてすぐにベランダに出て煙草に火をつける。

太陽はあまり好きではないが朝の柔らかな光だけは好きだった。

「獄寺おはよう!」

声をかけられて歩道を見下ろすと山本武がランニングしている途中に声をかけてきた。

こちらも日課で大体同じ時間にここを通るらしい。

「おはよ」

獄寺はあまりコミュニケーションが上手なタイプではないが、いつしか朝この男と挨拶を交わすようになっていた。

「獄寺昨日夜更かししたのか?目の下クマできでんぞ」

「そうか?」

獄寺は窓ガラスに自分の顔を写して見ながら目の回りを指先で動かしていた。

山本はその場で足踏みしながら小さく笑った。

「獄寺、じゃあ後でな」

それから手を上げでまた歩道を走って行った。

獄寺はボーっと山本が走っていく姿をなんとなく眺めてからその姿が見えなくなると部屋に戻っていった。

煙草の火を灰皿にもみ消してから洗面所に向かって顔を洗い、髪をとかすと寝室に戻って制服に着替えるためにTシャツを脱いだ。

ふと脇腹に残った痣に目がとまってそこを自分の指先でなぞりながら口元を上げて笑った。

「畜生、今日は絶対負けねぇからな」

シャツをハンガーからとって背中に羽織って袖を通すとボタンを閉めた。

ベッドの横にあるデジタル時計が7:20を示している。

「おっと時間か」

冷蔵庫を開けてレモンの入ったミネラルウォーターを取り出して一口飲んで元に戻してから閉めた。

鞄を抱えると部屋を出た。

「10代目おはようございます」

10代目とは獄寺が慕っている沢田綱吉のことで、彼は気弱な性格でありながら獄寺が中学時代に転校してきて危ないところを助けてくれた。

彼の父親の仕事が謎が多いことから勝手に10代目と呼んでいる。

普段からあまり人になつかない獄寺だがツナにだけは服従だった。

他の同級生にはツナと呼ばれている。

そのツナの家は獄寺の住むマンションから学校とは逆方向にあるのだが

中学の時から獄寺は毎日ツナの家に迎えに行くのが日課になっていた。

「おはよう獄寺君」

優しい笑顔でツナが姿を見せた。

「つっくん行ってらっしゃい。獄寺君おはよう気をつけてね」

優しいツナの母親が姿を見せると母親がいない獄寺は自分の母のように笑顔を向けた。

「おはようございますお母様。行ってきます」

「じゃあね母さん」

2人が家を出ると学校に向かった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
とりあえず新連載が始まりました。
頑張ります。

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2009年7月27日 (月)

「光と風の中で」予告

いつも読んでいただいてありがとうございます。

またweb拍手もすごく励みになっております。

おかげさまで夏コミの本ができました。

後ほど横に見本をアップしておきますので、よろしくお願いします。

さて、次作の「光と風の中で」ですが今日はストーリーを始める前に
設定だけ説明したいと思います。

学園パラレル高校生

登場人物:獄寺1年、山本1年、沢田1年、笹川京子1年、
    千種1年、クローム髑髏1年、骸2年、ベル2年、

      笹川良平2年、バジル2年、スクアーロ3年、
    正一3年、雲雀3年、

      英語教師ビアンキ、数学教師ザンザス、化学教師スパナ    物理教師白蘭、地理教師ディーノ、校医シャマル、
    学園長リボーン


【設定】

沢田と山本、クロームがクラスメイトで担任がスパナ

獄寺と千種、京子が同じクラスで担任がビアンキ

良平と骸がクラスメイトで担任はザンザス

雲雀の担任はディーノ

正一とスクアーロが同じクラス担任が白蘭

普通の学園生活を送る彼らの日常を書いていければいいなぁと思いますが基本BLです。もちろんエロありますので18禁になる予定です。

主人公は獄寺隼人そして彼を取り巻く色々な人たちです。
ヒバ獄か山獄か悩んでいます。。。

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2009年7月22日 (水)

皆既日食

「何だよてめぇ、一体何の用だ」

屋上の雲雀に呼び出された獄寺が煙草を片手に雲雀の側まで来ると

雲雀は無言でその煙草を奪ってもみ消した。

「ちっ、てめ」

獄寺はもう慣れっこになってしまったのかそんな雲雀にくってかかろうともしないで、そのままコンクリートの地面に座った。

隣に雲雀も座るとそのままあくびをして仰向けになった。

「は?何だよその態度は」

獄寺が雲雀をのぞき込むと雲雀は獄寺腕を引っ張った。

獄寺は体勢を崩して横に転がった。

「痛てぇ!!あれ?」

獄寺はたまたま目に入った空に見入っている。

「ああ、そうか今日は日食だった」

自然と口元が上がっている。

ふと隣に横になって空を見上げている雲雀を見ると雲雀はわざとらしくあくびをした。

「こんなところから見えるなんて思わなかったから諦めてたんだけど、捨てたもんじゃねぇな」

獄寺は嬉しそうに空を見た。

「ここをどこだと思ってるの?僕の並盛だよ。他の場所ではどうか知らないけどこの場所では君の好きな不思議がたくさんあるよ」

「嘘!!」

獄寺の瞳がキラキラと輝いた。

雲雀の横顔に近づくとふっと良い匂いが漂って雲雀も獄寺を見た。

間近にあった翡翠の瞳にドキドキした雲雀はすぐに空に向き直った。

「早くしないと見逃すよ」

「ああ、そうだ」

獄寺がもう一度空を見ると丁度太陽が隠れてその縁が光り輝く。

輪になった光の一カ所から顔を出し始めた太陽がまるでリングのダイヤのように輝いている。

「これがダイヤモンドリングか」

獄寺が呟くと雲雀もその光を見つめた。

「どんなリングよりもいいと思わない?」

思いがけない雲雀の言葉に獄寺は驚いた。

なんだこいつこれを俺に見せたくてここに呼び出したのか・・・相変わらず素直じゃない男だ。

「雲雀」

突然獄寺に名前を呼ばれて雲雀が獄寺の顔を見ると

その唇を柔らかいものが一瞬触れて離れていった。

同時に良い匂いがした。

「あんがとな」

唇を押さえている雲雀に獄寺は不器用な笑みを浮かべていた。

雲雀はその両腕を押さえつけてもう一度獄寺の唇を味わっていた。

気づくと獄寺の腕が雲雀の学ランの背中を掴んでいた。



END


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押してくださってありがとうございます。

予告通り69執事は夏コミ終了後に続きをアップさせていただきます。

今日は皆既日食なので
ちょっとヒバ獄で日食ネタのSSを作成してみました。
ああ、これがまた夏コミのマンガになるかも(笑)
日食見られましたか?
ダイヤモンドリング、一度で良いから見てみたいなぁ~

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2009年7月20日 (月)

69執事「終わりなき闇」23

『起床時の憂鬱』

「隼人様そろそろ起きなくてはいけませんよ」

「黙ってもう少し寝かせろ」

「いけません。本日はお客様もいらっしゃいますし」

「うるさい・・・出て行け」

「ダメです。ほら今お目覚めのアールグレイをお入れしました」

骸は大きな窓に下がっていたカーテンを全て開けると部屋中に朝日が差し込む

眩しそうに布団を被る隼人の側でティポットから紅茶をカップに注ぎ入れると

部屋中に柑橘系のアールグレイの香りが漂ってきた。

「畜生」

隼人が観念して顔を出すとその顎を捕らえた。

「いけない言葉ですね。僕はそんな言葉は教えていませんが」

と顎を掴んだまま白い手袋の親指を隼人の口の中に入れた。

隼人の口の中にその指を絡ませる。

「・・・んっ・・・」

「おや、良い格好ですご主人様。僕におはようのキスをしてくれますね」

骸の言葉に仕方なく頷いた隼人はせめてもの反抗として瞳だけで骸を睨んだ。

しかし骸は隼人の口から手を放すと真っ直ぐに隼人を見つめた。

隼人は蛇に睨まれた蛙のようにおずおずと骸の両頬に手をあてた。

そのまま秒速のキスを済ませると骸は両目を大きく見開いた。

そしてすぐにプッと吹き出した。

「全くお可愛らしいお方ですねあなたは・・・朝から押し倒したくなりますよ」

同時に隼人の両肩をベッドに押さえつけると今度は骸からその唇を塞ぐ。

「・・・ん・・ぐ・・・」

隼人はその体を引き離そうとしていたが間もなく観念したのか動きが止まった。

角度を変えながら口づける骸の後ろで束ねた黒髪が隼人の頬にかかる。

骸の舌が隼人の舌に絡みつくように動き回り体中がくすぐったさを覚えて骸に腕を回した。

しばらく濃厚な口づけを交わしながらチュッと音を立てて満足げに骸の唇は離れていった。

骸は呆然とした隼人の顔を覗き込んで勝ち誇ったような笑顔をみせた。

「アールグレイが冷めてしまいました」

「お前のせいだ」

「いいえその罪はあなたですよ」

カップを隼人の口元に持っていくと隼人は払いのけた

「いらん」

紅茶が真っ白なシーツと隼人のパジャマにシミをつける。

「おやおや」

骸が少し困った仕草で隼人のパジャマに手を伸ばすと隼人はその手をスルリとよけた。

「シャワーを浴びてくるから着替えを用意して、お前はここから早く出て行け」

「わかりました」

隼人はそのまま部屋の中にあるバスルームへと消えていった。

骸はシーツを剥がしながらそれを丸めて持って部屋を出て行った。


<つづく>
>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございました。
やっと原稿が書き上がりました。
ここですべてをアップしてしまうと夏つまらなくなってしまうかな・・・
このあともしかしたらアップは夏コミ終了後にしようかと考えています。


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2009年7月17日 (金)

69執事「終わりなき闇」22

「隼人様に何をなさったんですか?」

骸は隼人の部屋を出てその足で雲雀の部屋に来ていた。

扉の前でノックすると雲雀は無言でその扉を開けて骸を招き入れたのだった。

「別に」

しかし雲雀はそのままソファーに座ってあくびをしている。

骸の問いかけになど答える気は全くないようだった。

「死神の分際であの方に近づくのはやめていただけませんか?」

その言葉に雲雀の瞳が鋭くなった。

「キスしたよ」

雲雀は骸に挑戦的な瞳を向けた。

「勝手にそんな真似をされては困りますね。あの方は私の主なのですから」

「主が誰と何をしようが黙認するのが、執事なんじゃないの?」

「普通はそうですが、僕達はそれだけではありませんから」

「ふーん、悪魔が主を食事代わりにしているの?」

雲雀の視線がやっと興味を持ったらしく面白そうに骸を見る。

「これ以上隼人様に手を出したら、僕は黙っていませんよ」

骸はそう言いながら雲雀の側に顔を近づける。

「ほう、あなたも結構きれいな顔をしているんですね」

不適に口元が上がり雲雀の唇に白い手袋の指が触れそうになると

雲雀はその手を払いのけた。

「怪我したくなかったら出て行ってよ」

骸は微笑むと雲雀から離れて扉に向かう。

「ちょっと待ちなよ」

その声に骸が振り返ると雲雀も口元を上げて微笑んだ。

「悪魔の分際で神に意見するとは良い度胸だね」

「神は神でも死神なら悪魔と大差ないです」

骸は扉の方に向き直るとドアを開けて出て行った。

雲雀にとっても長い一日がやっと終わろうとしていた。



<つづく>>

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読了、おつかれさまでした。
web拍手をありがとうございます。
そろそろ原稿が真剣にまずいです。

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2009年7月16日 (木)

69執事「終わりなき闇」21

『おやすみの前に』

「隼人様お休み前のホットミルクをお持ちしました。」

同時に扉が開き骸は隼人の部屋に入ってベッドサイドにあるテーブルにトレーを置いて

ポットを持った。

隼人は何もなかったかのように、イスに座って本を読んでいた。

だが本の中身は全く頭には入っておらず、先程の雲雀との出来事が頭の中で思い返される。

「どうかされましたか?」

その様子を不審に思ってか骸の眉が微かに上がる。

「別に、早く入れて出て行け」

隼人はチラッと骸を見てまた本に目を落とした。

「そうですか、でも」

骸は隼人の両頬を白い手袋の指で掴んだ。

隼人の瞳に部屋の明かりが星のように揺れている。

「おやすみのキスがまだのようです」

「やだ・・よせ!」

頬を掴まれて見つめられた端整な顔立ちが近づくと隼人は持っていた本を落とした。

強引に塞がれた唇から舌先が進入して歯列をなぞり始めると、隼人は雲雀のことを思い出して骸を突き飛ばしていた。

「坊ちゃん・・・何をされました?」

その行動に核心を得た骸は嬉しそうに口元を上げた。

隼人は立ち上がるとベッドに入って布団をかぶった。

「もう寝るから出て行け!」

骸はそれ以上、追求せずに立ち上がって扉の前で軽くお辞儀をした。

「おやすみなさいませ。良い夢を」

部屋の明かりを消してから扉を閉めて出て行った。

隼人はベッドに横になったまま窓に浮かんだ三日月を見つめていた。

自分の唇を人差し指でなぞると背中から込み上がってくる何かに少しだけため息をついた。

「もう、終わった事じゃないか、あの事件も、そして雲雀も」

月に問いかけても何も帰っては来なかった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手ボタンを押していただいた方
ありがとうございます。がんばれます。

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2009年7月14日 (火)

69執事「終わりなき闇」20

『真夜中の庭園』

部屋に戻った隼人は来ていた上着を脱ぐとベッドの上にドサッと倒れ込んだ。

シルクのベッドカバーの上に頬を乗せると

一瞬ヒヤリとしたがすぐに人肌になり心地よかった。

真っ暗になった窓の外に目を向けると三日月が闇をほのかに照らしている。

星もいくつか出ていてしばらくベッドの上で星空を見ていた。

「何か疲れたな・・・」

1日の長さはいつも同じはずなのに、今日だけはいつもより長く感じる。

それが来客のせいだとは思いたくはなかったが、まだ一仕事残っていた。

「雲雀・・・」

隼人は呟きながらベッドから起き上がった。

そのまま立ち上がり部屋を出て行った。

「待っていたよ。獄寺隼人」

庭のテラスから続く東屋へ行くと、雲雀は既にソファーに足を組んで座っていた。

隼人に気づいて軽く手を上げる。

「早かったのか?」

隼人がそう言いながらソファーの隣に腰掛けると、雲雀はフワッと隼人の肩に自分の上着をかけた。

「上着も着ないで風邪をひくよ」

(何かこいつ、意外だな)

隼人のイメージでは雲雀は無愛想に言葉少なく、どちらかと言えば手が先に出るタイプだと思っていた。それがなんとなく優しい。

隼人は妙な胸騒ぎがして、早く話しを済ませようと思った。

「それより話しって一体・・・」

その言葉に雲雀が顔を上げると突然目があってしまい何故か焦る。

「実は僕は君の両親が死んだ原因を知っていてね」

雲雀は視線を隼人の後ろにある薔薇の花を見ながら続けた。

「君は僕の話をどこまで信じようと自由だけど。僕は君の両親を殺害した奴らを知っている」

「俺の両親はプロの殺し屋に殺された」

「その原因が何か知ってるの?」

隼人は無言のまま雲雀の次に話す言葉を待った。

雲雀は隼人の両肩に手を掛けるとその顔に近づいてきた。

(なに?!)

いきなり唇を塞がれて隼人の両方の瞳は驚きに見開かれている。

雲雀は隼人の肩から背中へと両方の腕を回してしっかりと隼人を抱きしめている。

隼人はあまりに突然のことに抵抗すら出来ず呆然とその口づけを受けていた。

雲雀の舌が自分の唇の間から口の中への進入を許すと頭の中に霞がかかったようになり、体から力が抜けて雲雀の腕にもたれかかっていた。

長いキスから解放される頃になると瞳はうつろになり雲雀の瞳と空に浮かぶ三日月が重なって見えていた。

雲雀は口元を僅かに上げると満足げに立ち上がった。

「話しは終わったから僕は帰るよ。おやすみ」

ソファーにもたれかかって呆然としている隼人に一方的にそう告げる。

ようやく隼人は我に返って立ち上がる。

「待ちやかれ、てめぇ何のつもりだ・・・」

「君に思い出してもらいたくてね。明日続きを話すよ」

しらっとした顔でそう答えられると隼人は次の言葉を失いそうになったが慌てて雲雀を呼び止める。

「ふざけるな!」

「一気に話すと疲れるからね」

「はっ?!意味わからねぇ」

しつこく雲雀に抗議する隼人に雲雀はフッと笑いながら

「キスだけじゃ足りないのかい?」

と言われて隼人はフルフルと首を振っると雲雀はそのままその場から出て行った。

(何だったんだ今のは一体・・・・)

隼人は両肩にかけられた雲雀の上着ごと自分の両腕を抱え込んでいた。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を送っていただいてありがとうございました。
原稿の締め切りが迫っています。
そんなときに限って仕事が忙しいって。。。。
どうしてなんでしょうね。

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2009年7月13日 (月)

69執事「終わりなき闇」19

『デザートは甘い誘惑?』

並べられた見事なおもてなしの料理にツナは喜んだ。

隼人もそんなツナに色々と話しかけていた。

そのおかげで夕食が終わる頃になると

隼人もツナも夕食前の事など気にしなくなっていた。

最後のデザートが運ばれてきて骸がポットからそれぞれのカップにお茶を注いだ。

雲雀は少しだけ離れたイスに腰掛けてずっとお茶を飲んでいる。

骸もカップにお茶を注ぎ終えると隼人から許しを得てイスに座った。

4人がテーブルに着くとどことなくぎこちない空気が流れる。

「10代目、このザッハトルテはオレのお薦め度ナンバー1のデザートです。もともと俺はいちごの入ったデザートが好きなんすけど、このチョコの溶け具合とか味の上品さにはやられました。」

隼人がフォークでザッハトルテを一口大にして刺した。

ツナもそう言われて同じようにそれを刺そうとするがチョコがずれてケーキの形が崩れた。

「あれ?オレ不器用だから・・」

少しだけ頬を赤らめて一生懸命にザッハトルテを取ろうとする姿を見かねて骸がスーとスプーンを差し出した。

「沢田様こちらの方が取りやすいかもしれませんよ。それは私がいただきます」

同時にツナが崩したザッハトルテをツナの手を掴んで口に運んだ。

ガタンと音が鳴り雲雀が立ち上がると全員が雲雀に注目した。

「あ、や・・ごめん、オレのせいでみんなに迷惑かけちゃったみたい。雲雀さん座ってて良いよ」

ツナは慌ててその場の空気を元に戻そうと無理に笑った。

「そうっすよね」

隼人もそんなツナに気遣って笑っていたが、瞳の奥では骸を睨んでいた。

(余計なことしやがって、お前はどこまで波風を立てたいんだ)

「いいえ、僕は素直に新しいデザートをお持ちしたいと思っただけですよ。それともこんなことに嫉妬されたのですか?」

まるで隼人の心の読んでいたかのように骸は立ち上がると隼人の頬に触れた。

「うるさい、早くデザートの換えを持ってこい」

「はい」

顔を隼人に近づけてから呟いた。

それを見ていたツナは頬を染め、雲雀はもう一度イスに座ってそっぽを向いた。

とことん気が合わない2人である。

隼人はその様子を眺めて軽くため息をついた。

会話も一段落するとお茶を終わらせて

ツナと雲雀が立ち上がった。

隼人は一足先に立ち上がって部屋の入口付近に立って

おやすみの挨拶をする準備をしていた。骸もその隣に立っている。

「ありがとう獄寺君、すごく楽しかったよ。明日はオレと雲雀さんは仕事で朝から出かけるから別に見送らなくても良いからね。」

ツナは隼人の前で立ち止まって軽く手を握るとそう言っておやすみの挨拶をした。

隼人はその手を両手で掴んでツナの顔を見つめながら

「とんでもありません。10代目がお出かけになられるのですからオレもちゃんと見送ります。何だったらお供します」

「それは遠慮するよ」

ツナが答える前に雲雀が隼人の言葉を遮った。

隼人の手をツナから引きはがす。

隼人は一瞬不愉快な顔を雲雀に向けたが、すぐに笑顔を作ってツナに挨拶をする。

「お休みなさいませボンゴレ。何かございましたら真夜中でもおっしゃってください。僕はいつでも飛んでいきます」

骸がツナの前に跪きナイトのようにその手に口づけた。

ツナが引きつった笑顔を隼人に向けると、隼人は骸の顔を横目で睨んだ。

雲雀は先に立って部屋を出て行きながら

「おいていくよ、沢田綱吉」

と歩き出す。その後ろをスタスタとツナが付いていく。

(フルネームで呼び捨てかよ)

隼人は雲雀の後ろ姿を見送った。

「やれやれ、困った方ですね」

骸が苦笑した。

「一番困った奴はお前だ」

無愛想な隼人の声に骸はその体を後ろからフワッと抱きしめた。

「嫉妬してくださったのはすごく嬉しいですよ。けど坊ちゃん」

「人を子供扱いするな。何度言えばわかる、坊ちゃんじゃない」

「ああ、これは失礼隼人様」

その口元が隼人の耳元に近づくと隼人は背中からゾクッとした。

「あなたは隙だらけです。ボンゴレを見ていておわかりになりませんか?彼もあなたと同類です。いつでも僕は彼に入り込めますよ」

隼人の耳元で囁きかけると隼人はその目を見た。

「そんなことをしてみろ、あいつが黙っちゃいねえぞ」

「雲雀のことですか?僕だってあなたにちょっかいを出されたら、あの男を生きてここからは出しませんよ」

その顔をじっと見つめていると骸は隼人から腕を放した。

「さあ、片付けをしないといけませんね。隼人様はおとなしくお部屋にお戻りください。」

意味深にそう言いながら骸はキッチンへと向かって歩き出した。

隼人はひとりダイニングを後にした。

<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
感謝しています。
今日は少し長めにアップしました。
原稿の関係で更新が不定期になることをお許しください。

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2009年7月 8日 (水)

69執事「終わりなき闇」18

「10代目、お待たせしてす・・・・」

勢いよく扉を開けた隼人は顔を真っ赤にしてもう一度ドアを閉めた。

どうやらマッサージしているだけの2人の会話と体制で隼人は勘違いしてしまったらしい。

「骸、今のはどういうことだ」

「さあ、僕は何も見ていません」

骸は気づいていたがあえて何も言わなかった。

「そうか」

「はい」

隼人はドアの前でしゃがみ込んでその前に骸が体を屈めた。

「で、隼人様どうしますか?」

「一足先にダイニングへ行くから、お前から2人に伝えてくれ」

「イエスマイロード」

隼人が立ち上がるために肩を貸しながら骸は微笑んだ。

『楽しい晩餐?』

「隼人様支度はほぼできています。あとは犬がテーブルの花を持ってくれば終わりです」

隼人がダイニングルームに入るとテーブルの上に食器を並べていたクロームが眼鏡の端を持ち上げながら俯きがちにそう伝えた。

「ああ」

隼人は窓の外をこちらに向かって走ってくる犬を横目で確認してテーブルの奥にある自分の席に腰掛けた。

「あ、ごめんなさい・・・ご主人様。イスをご自分でひかれるとは」

クロームが慌てて申し訳なさそうに寄ってきたが隼人は片手を上げてそれを制した。

「気にするな、そのくらい僕でもできる。もうここは良いからキッチンで千種を手伝ってこい」

「はい、そうします」

クロームがお辞儀をしながらダイニングを後にした。

「やれやれ」

隼人はテーブルに両肘をついて顎をその上に乗せた。

ふと先程の光景が目に浮かんでぽーっと頬が熱くなってきた。

それを打ち消そうとテーブルの中央にある水の入ったポットに手を伸ばす。

「お申し付けくだされば僕がやりますよ。水ですか?」

いつの間にか後ろに立っていた骸に隼人は初めて気がついた。

「音もなくオレの後ろに立つんじゃねぇ。吹き飛ばされたいのか」

「クフフフフ。これは失礼しました。吹き飛ばされるのはごめんですね」

骸がポットを持って隼人の横に立った。

「おや、お顔が赤いですね。熱でもあるんでは?」

「うるさい!離れろ!」

骸が片手で隼人の額に触れようとすると隼人はその手を払いのけた。

同時にポットから少量の水が飛び散り隼人の顔にかかりそうになった。

シュッ!

その瞬間に何かが飛んできてその水を見事にはじき飛ばした。

「えっ?!」

「・・・・!!」

隼人と骸は同時に入口の扉の方を見るとツナの横に立つ雲雀が片方だけトンファを構えていた。

飛んだ方向を見るとそれはまさしく雲雀のもう片方のトンファだった。

しかし部屋の家具や壁は一切傷つけずにそれは床に落ちている。

「す、すげぇ・・・」

隼人は雲雀の顔を見てそう呟くと、隣に立っていたツナも嬉しそうに頬を少しだけ染めて雲雀を眺めていた。

骸は逆に面白くなさそうに雲雀のトンファを拾って雲雀に手渡しに行った。

「ご主人様のためにありがとうございました。でももしも少しでもそれが我が主人を傷つけたときには僕はあなたを許しませんよ」

「骸、口を慎め」

「これは失礼しました。マイロード」

「僕はそんなミスはしないよ」

「雲雀さんもういいよ」

骸と雲雀の間で目から火花が散っているのをお互いの主人がなだめた。

「まあいいでしょう。それより綱吉様お食事のご用意が整っています。こちらのお席にどうぞ」

骸が隼人の正面の席を勧めるとツナが

「ありがとう」

と引かれたイスに腰掛けた。

骸はそのままキッチンに料理をとりに行ってしまった。

横には雲雀が立った。

「お前も座れ」

「僕はいいよ」

隼人が雲雀にも席を勧めたが雲雀はあっさりと断ってツナの横に立って世話を焼く。

(どうしよう・・・獄寺君の正面でオレ絶対に勘違いされたよな・・・まともに目を合わせられないよ)

冷静になり、先程の場面を隼人に見られたことを考えるとツナは正面に座っている隼人の顔が見られない。

一方隼人は雲雀の視線を感じてそちらを見ると彼が何か目で訴えていた。

(何だ・・・)

雲雀はしきりに窓外の東屋を目で示す。

(あそこに来いってことか・・・どうして)

しかし隼人は軽く頷くと話題を切り出した。

「10代目、今日のメインディッシュは」

ツナはその言葉にやっと顔を上げた。

<つづく>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
PCが壊れました。
今週の更新はここまでになると思います。
ごめんなさい。
原稿の締め切りも迫ってきたので
夏コミ前にここに全てをアップするのが困難になってきました。
多分オフ本の方が早いと思います。

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2009年7月 7日 (火)

69執事「終わりなき闇」17

「雲雀さんお願い・・・です。ここ僕たちの家じゃないし、やめてください」

「大丈夫だよ。どうせまだ2人とも戻ってこないから」

「でも・・・あの・・」

「ふぅん、嫌ならいいよ」

「あっ!・・・雲雀さん・・・」

いきなり側から離れた雲雀をツナは潤んだ大きな瞳で見つめた。

「君が言ったんじゃない。文句でもあるの?」

「文句なんてないけど、雲雀さんもう少しだけなら・・・大丈夫かもしれないと思って・・その」

「君は本当に面倒だね。」

雲雀がため息をつきながらツナの側に戻ってくる。

そのままソファーにうつぶせに横たわったツナの元に跪いた。

「この辺りですか?」

「あ、もう少し上・・かな・・」

「ここだね」

「ああ・・そこ・・・気持ちいい・・やっぱり雲雀さんは手放せないなぁ」

「いい加減にしてよ。僕はこんなことのために君と一緒にいる訳じゃないんだからね」

雲雀は不機嫌にツナの背中をマッサージする。

骸が部屋から出て行ってから雲雀はツナをソファーに押し倒した。

雲雀はマッサージがうまくて一族でも有名だった。

だがよほど機嫌が良くならないとその特技を披露してくれない。

しかしツナにはよくサービスをしていた。

それがこの男なりの優しさなのかもしれないとツナは苦笑いする。

「お前のせいで10代目をお待たせしたじゃないか・・あのお方は怒りはしないけどきっと困っていらっしゃるに違いない」

隼人の言葉に骸は口元を上げて笑う。

「そうですね。きっと今頃は困っていらっしゃる」

「何だその意味深な笑いは」

客間へ続く回廊を隼人の半歩後ろを歩く骸の顔を隼人は振り返る。

骸は口元に白い手袋の手をあてて目を伏せた。

「別に・・・ただ、今隼人様が客間に行くのが良いタイミングかどうかは僕にはわかりませんが」

「いちいちひっかかるものの言い方をする奴だな。それはどういう意味だ」

「いいえ、僕の推測に過ぎませんのであなたに言うまでのことではありませんよ」

「じゃあ、もう言うな」

「御意」

2人はまた長い回廊を歩き出した。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
自宅のPCが壊れ気味です。
拍手はかなり勇気づけられます。
原稿どうしよう(汗)

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2009年7月 6日 (月)

69執事「終わりなき闇」16

※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「ん・・・くっ・・・あっ・・はう・・・」

絶え間なく隼人の口からあえぎ声が漏れ出る。

命令したと同時に隼人は全ての下着をはぎ取られ、生まれたままの姿でベッドに横たわっている。手首の拘束は既に外されていた。

ただ骸が部屋を出て行く前に隼人の尻に入れたバイブはそのままずっと入れられていた。

骸はその電源のを入れたり切ったりしながらもてあそんでいる。

隼人は骸が戻った時にはもう我慢の限界だった。

早くそれを抜いて欲しくてそう命令したつもりだったのに、骸は一向にそれを抜こうとはしなかった。

それどころか隼人が苦しがる光景を楽しそうに眺めて時折意地の悪いことを言った。

「あなたというお方はこうしているとかなり淫乱です。ほら欲しいと言ってみてください」

隼人はそれでも目一杯骸をにらみつけた。

「そうですか?まだそんな理性があるんですね。じゃあもう少し」

そう言いながら電源を強くする

「あぁぁぁっ!やぁ!」

隼人が声をあげた。

「さあ、どこをどうすればいいんですか?」

隼人の耳朶に唇を寄せながら囁くと

隼人は見開いた瞳から涙を流しながら

「は・・やく・・これを・・・ぬけ」

と腰を浮かせた。

「おや」

「あっ・・やっ・・」

骸は容量を増し、すっかり勃ちあがった隼人の花茎に手を伸ばした。

「こちらはどうしましょう」

意地悪く口元を上げた。

「やぁ・・さわるな」

「でも・・ほら・こんなに反応して」

「あうっ・・んくくっ・・や、だ・・あああ」

骸は手にしていた隼人の雄を口に含んだ。

隼人は更に刺激を与えられて頭の中が真っ白になっていき

ぎゅっと目を閉じた。

骸はしきなり尻の中のバイブを引き抜いた。

「あっ、やあぁぁぁぁっ!んくっぅ・・・」

隼人の鼻にかかるような声と共にビクビクと体が痙攣する。

骸は口に含んだ隼人の雄を吸いながら隼人の顔にかかる髪をかきわけてその顔を見つめていた。

「はあ、はぁ・・」

背中で息をしながら隼人が骸を見つめると、骸はようやく隼人の雄から口を離して

ぺろりと舌で唇を舐める。隼人の顔の横に近づいた。

「ごちそうさまでした。マイロード」

そういって唇を重ねると、隼人はその口をかみ切った。

骸の口元から一筋の血が流れた。

隼人がにらみつけると骸は微笑んでいた。

「くそう!・・・なぜお前はこんなものを好んで飲むんだ」

「それが私の生きる糧ですから」

何もなかったかのような態度の骸が憎い。

隼人は鏡に写し出された自分の上気した顔を見てそう思っていた。

「ところで、そろそろ夕食のお時間です」

更にしれっとして骸が来客を思い出させると、隼人は全身が熱くなった。

(そうだった。10代目がいらしたんだ)


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
やっとオフ本の表紙イラストが描けました。
あとは文書のみ最悪終わらなかったら上下巻にするとか
ダメですよね~
とりあえず頑張ります!!

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2009年7月 3日 (金)

69執事「終わりなき闇」15

※18歳以上の方のみお願いします。

『拘束された寝室にて』

ブブブブブ・・・・

「ンン・・・・グゥ・・・・ん・・」

隼人の寝室には僅かに響く電動音と猿ぐつわをされたままうめく隼人の声がしていた。

部屋への扉を開いた骸はベッドに下着姿のまま拘束されている隼人の側まで近づいた。

従者とは思えない冷たい視線が隼人を見下ろした。

隼人は両手をベッドの柱に縛られたまま両足を縮めた格好で骸を見るが、その瞳からは涙が流れている。また口に咥えさせられたタイは既に唾液で湿っていて、口の端からも涎が流れ出していた。

骸は満足げな顔で僅かに口元を上げるとおもむろに隼人の羽織っているだけのシャツを開いた。色白の胸にピンクに色づいた2つの果実が艶めかしく既に尖っている。

骸はその果実に指先を伸ばして人差し指の腹で軽く転がした。

「んんん・・・」

隼人が声を上げてくねくねと腰を動かす。

「おや、そんなにいいんですか?」

骸の視線が隼人の下着姿の股間に注がれた。

そこは既に形を変えているそこの中心にシミができている。

骸はもう片方の指先を伸ばして今度はそのシミの中心に軽く触れる。

ぬるっとしたところを指先で滑らせた。

「んんんっ!」

隼人は両方の目をぎゅっと閉じて両足を難く閉じてその指から逃げようとした。

けれども骸は難なく今度はその指先をそのまま後ろに回して割れ目をなぞり始めた。

「これもだいぶお気に召したみたいですね。隼人様」

同時にその蕾の中から伸びている紐の奥を指で突いた。

「ぐっう~んんんんっ!!」

隼人の声が更に大きくなると骸は

「仕方ありませんね。これではおねだりが聞けませんから」

とやっと隼人の口からタイをほどいた。

「む・・くろ・・・もう・・やめて・・」

呆然として涙目の隼人が骸にやっとそう言うと、骸は人差し指を自分の口元に持ってきて左右に振った。

「隼人様、おねだりの仕方はちゃんと教えたはずですが」

と胸のピンク色の飾りを両方の手できつくつまみ上げた。

「やぁ!・・・くぅ・・・はぁ・・んん」

隼人は腰をくねくねと浮かす。

「強情ですね」

骸が隼人の胸の果実に唇を寄せる。

舌先でねっとりと舐め上げるとピチャピチャと濡れた音が響いてきた。

ブブブという電子音と重なって隼人を更に追い詰めていく。

「んん・・も・・う・・・わか・・た・・から・・・はやく・・」

隼人は落ちつきなく腰を捻る。

「それじゃあ命令を」

「はやく・・・オレ・・を・・い・・かせ・・ろ」

「イエス・マイロード」

<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございました。
ちょっと読みにくかったと思いますが
なんとかビルダーでの投稿が可能になりました。
ああ、夏コミ原稿間に合うのだろうか・・・(汗)

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2009年7月 2日 (木)

69執事「終わりなき闇」14

『客間の退屈しのぎ』

「獄寺君どうしちゃったんだろう?あれきり戻らないなぁ~雲雀さん獄寺君に何かしていなければいいんだけど・・・」

「ほう、ご存知なんですか?」

「ひぇ~骸さん?いつからそこにいたの?」

ブツブツと言っているところに突然姿を現した骸に、独り言を聞かれて恥ずかしくなり、ツナは少し赤くなった。

「おや、隼人様もそそられるかたですが、あなた様もなかなか劣りませんね。あなたの執事が間違ってしまっても仕方ないのでしょうか?」

「何を馬鹿なことを・・って、えっ?!やっぱり雲雀さん獄寺君に何かしたの?」

そう慌てるツナにスッと骸は跪いて手を取ってその手に口づけた。

「未遂です。私がおりますのでそんな心配はございません。ただ・・・」

そう言って言葉を切った骸にツナは

「ただ何?」

と尋ねると骸は真っ直ぐにツナの瞳を見た。

「隼人様にはしばらく反省していただいておりますので、ご用があったら私に申しつけください。さて」

と骸が立ち上がってツナの側に一歩近づいた。

「な、なに・・・」

「あなた様が退屈なさらないようにお相手いたしましょう」

目の前で見つめられてツナはまるでへびに睨まれた蛙のように身動きがとれなくなった。

「いいいいいいよ・・」

ツナはじりじりと後ろに下がっていった。

「おっと」

スッと骸の腕が伸びてツナの体を後ろから抱える。

「放して」

「いえよく見てください。危ないところでした。」

ツナがふと後ろを振り返ると、あと一歩下がっていればテラスへの段があり転がってしまうところだった。

「ありがとう・・・」

誤解した自分がちょっと恥ずかしくなり視線を游がせた。

「いえいえ私は執事ですから」

と骸が抱いているツナの顔の間近で微笑んだ。

「ねぇ、人の主人と何いちゃついているの?」

そこに突然不機嫌な声が聞こえた。

部屋の入り口を見ると客用寝室にいたはずの雲雀が立っている。

「ほう、ここまで来られないというのは嘘だったんですか?」

骸の視線が冷たく注がれると雲雀はフッと笑った。

「僕は感が良いんだよ。それより彼と離れてよ」

「はあ、これはこれは失礼しました。でも、綱吉様は隼人様に劣らない抱き心地でした。」

「な、何言ってるの?骸さん」

ツナが真っ赤になって訂正するが、同時に雲雀の仕込みトンファが骸の顔をかすめていた。

「おっと乱暴な方ですね。あなたがいらしたならこの方はお返しいたします。私はご主人をお迎えに行ってきます。ではしばらく失礼します」

サッと身を翻して骸が部屋から出て行った。

それを見送ってツナが嬉しそうに雲雀を見ていた。

「雲雀さん・・・」

「・・・・」

雲雀は無言でツナを見つめた。

<つづく>

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読了、お疲れ様でした。

web拍手をありがとうございました。

すごく嬉しいです。

まだココログの調子が良くないみたいですが

読んでいただけて嬉しいです。




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2009年7月 1日 (水)

69執事「終わりなき闇」13

『着替えの時間』

部屋に戻るなり、隼人は骸に着ていた服を剥ぎ取られていた。

下着だけにされたままソファーに投げ出されている。

「おいっ!お前の主人が風邪をひいたらお前の責任だからな」

隼人がムスッとしながらそう怒鳴る。

骸は隼人の着替えの服を腕に下げてソファーの横に立った。

「勉強の時間ではありませんが、一度あなたに言わなければいけないと思っておりました。」

「なんだ」

隼人はソファーで足を組む。

骸はその横にスッとひざまずいた。

「隼人様は気づいておられないようですが、あなたはとても男好きのするタイプです。例え男に興味のないというものでもあなたなら虐めてみたくなるような方です。だからどんな相手にでも安易に気を許してはいけません。おわかりでしょうかマイロード」

「・・・・」

骸の言葉に隼人は不機嫌な視線を送っただけだった。

その腕に持っている自分の服を取ろうと手を伸ばす。

「おっと、返事がまだのようです。いつも私はあなたに厳しく躾をさせていただいているはずですが、まだおわかりではないようですね」

骸の瞳が怪しく光った。

同時に隼人の両手首を掴んで頭の上でソファーに押さえつけた。

「やめろ!!何を考えている!来客中だぞ!」

強気で言い放つ隼人に骸は素早く隼人から脱がせたネクタイを隼人の口に咥えさせて縛り上げた。

「ぐっ・・・ん・んんん」

「こうすればあなたは声が出ませんね。クフフフフフ・・・ステキですよ坊ちゃま」

冷たい視線で見下ろされながら静かにその口が隼人首筋に下りてくる。

(こいつ!!)

隼人が思いきり足を蹴り上げたが、骸は素早くよけていた。

「坊ちゃんそんなに拘束されるのがお好きなんですか?」

骸は今度はは隼人の着替えの中からリボンを取りだして

隼人をベッドまで運んで両腕を頭の上でベッドの柱を挟んで縛り上げた。

そのまま一度立ち上がって見下ろした。

「さて、一度お客様の様子を見に行かなければなりませんね」

隼人に話しかけると隼人は

「ん・・・んん・・・」

と動いたがリボンもタイも全く動かない。

「だめですよ。ああ、退屈なんですね。それではいいものをあげますからおとなしくそこで待っていてください。くれぐれも私がいない間に粗相などしないでください。あなたはこの家の主なんですから」

と怪しげなものを服のポケットから取り出した。

「んんんんっ!!!」

それを見た隼人は目を見開いて悲鳴を上げていた。

<つづく>

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読了、おつかれさまでした。

web拍手をありがとうございました。

いつも読んでいただいて感謝しています。

ココログ障害でなかなかアップできませんでした。

今でもビルダーが使えないので文書がかなり不安です。

ここなんか不便です。。。

ブログ引っ越そうかと考えています。



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