ヒバ獄小説

2009年7月22日 (水)

皆既日食

「何だよてめぇ、一体何の用だ」

屋上の雲雀に呼び出された獄寺が煙草を片手に雲雀の側まで来ると

雲雀は無言でその煙草を奪ってもみ消した。

「ちっ、てめ」

獄寺はもう慣れっこになってしまったのかそんな雲雀にくってかかろうともしないで、そのままコンクリートの地面に座った。

隣に雲雀も座るとそのままあくびをして仰向けになった。

「は?何だよその態度は」

獄寺が雲雀をのぞき込むと雲雀は獄寺腕を引っ張った。

獄寺は体勢を崩して横に転がった。

「痛てぇ!!あれ?」

獄寺はたまたま目に入った空に見入っている。

「ああ、そうか今日は日食だった」

自然と口元が上がっている。

ふと隣に横になって空を見上げている雲雀を見ると雲雀はわざとらしくあくびをした。

「こんなところから見えるなんて思わなかったから諦めてたんだけど、捨てたもんじゃねぇな」

獄寺は嬉しそうに空を見た。

「ここをどこだと思ってるの?僕の並盛だよ。他の場所ではどうか知らないけどこの場所では君の好きな不思議がたくさんあるよ」

「嘘!!」

獄寺の瞳がキラキラと輝いた。

雲雀の横顔に近づくとふっと良い匂いが漂って雲雀も獄寺を見た。

間近にあった翡翠の瞳にドキドキした雲雀はすぐに空に向き直った。

「早くしないと見逃すよ」

「ああ、そうだ」

獄寺がもう一度空を見ると丁度太陽が隠れてその縁が光り輝く。

輪になった光の一カ所から顔を出し始めた太陽がまるでリングのダイヤのように輝いている。

「これがダイヤモンドリングか」

獄寺が呟くと雲雀もその光を見つめた。

「どんなリングよりもいいと思わない?」

思いがけない雲雀の言葉に獄寺は驚いた。

なんだこいつこれを俺に見せたくてここに呼び出したのか・・・相変わらず素直じゃない男だ。

「雲雀」

突然獄寺に名前を呼ばれて雲雀が獄寺の顔を見ると

その唇を柔らかいものが一瞬触れて離れていった。

同時に良い匂いがした。

「あんがとな」

唇を押さえている雲雀に獄寺は不器用な笑みを浮かべていた。

雲雀はその両腕を押さえつけてもう一度獄寺の唇を味わっていた。

気づくと獄寺の腕が雲雀の学ランの背中を掴んでいた。



END


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押してくださってありがとうございます。

予告通り69執事は夏コミ終了後に続きをアップさせていただきます。

今日は皆既日食なので
ちょっとヒバ獄で日食ネタのSSを作成してみました。
ああ、これがまた夏コミのマンガになるかも(笑)
日食見られましたか?
ダイヤモンドリング、一度で良いから見てみたいなぁ~

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2009年6月 2日 (火)

20年桜 真桜-17

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

食事を済ませて

獄寺は大きな窓越しに広がる海を眺めていた。

シャマルの話はある程度覚悟はしていたが、やはりショックだった。

だがこの男には悪気がないこともわかっている。

自分にとって都合の良い記憶しか残っていないことが救いだったのかどうかはわからないが、この男はそう思ってしたことなのだ。

大きな手のひらが獄寺の頭に乗せられてくしゃりと髪を撫でる。

「そろそろ帰らねぇと、あいつが嫉妬に狂うぜ」

「もう狂ってるさ」

獄寺は微笑んでシャマルの顔を見上げていた。

「そんな顔されても生憎俺はお前を満足させられる体力は残っちゃいねえからな」

「バカ、何を勘違いしてやがる。俺はこの静かな空間にもうしばらくいたいと思っただけだ」

獄寺は少しだけ慌てて頬を染めた。

その頬をシャマルが掴む。

「それがお前の罪だ隼人。自分で気づかねぇから周りの奴らが放っておけねぇんだよ。俺は慣れてるから勘違いもねぇけどな。」

「なぁ、俺はあんたといるとあんたは辛いのか?」

思いがけない申し出にシャマルは苦笑いをする。

「それはお前が2人よりも俺を選びたいという申し出なのか?」

「そうじゃねぇけど、こうしていると家とか家族といるみてぇに気が楽で休まるんだ」

「ほう、やけに素直だな」

シャマルはテーブルに置かれていたワインを飲んだ。

「なんてな。帰ろうか」

獄寺はそんなことは許されないことだと一番良く知っていた。

シャマルは肩をすくめて少しだけ残念そうな顔をする。

「もうこれ以上、お前の記憶は奪いたくねぇからな」

ため息混じりにそう言うと

「さて、帰ろうか」

とレストランの部屋を出て行った。獄寺もそれに続く。

ハイウェイを走ってディーノのマンション付近に車を止めると

どこからともなくディーノの部下が姿を現した。

「獄寺さん困りますよ」

ロマーリオだった。

「じゃ、間違いなく渡したぜ」

獄寺が車を降りてその腕をロマーリオが掴むのを見ると

シャマルは車を降りるわけでもなく走り去ってしまった。

「俺は誰の所有物でもねぇ。どこで何をしようと俺の勝手だ」

獄寺はロマーリオの腕を払ってマンションの入口に向かう。

他の男が先回りをしてエレベーターのボタンを押すとすぐに扉が開いた。

獄寺はエレベーターに乗り込んで最上階のボタンを押した。

「ディーノが帰ってくる前でほっとしやしたぜ」

ロマーリオが胸をなで下ろすのを見て獄寺は僅かに微笑んだ。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございます。
すごく嬉しいです。
やっとシャマルの話が終わりました。
シャマルは獄寺君にとってお父さんみたいな存在です。
さてここからまた章が変わります。
またディノ獄展開です。

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2009年6月 1日 (月)

20年桜 真桜-16

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

グラスがテーブルの上を転がって獄寺の手に当たった。

獄寺はそれを掴んでデーブルに立てた。

「お前のためだと思ってやってきたがやはりお前にとっちゃあショックだな」

吐きだした煙草の煙が窓の外に流れていく。

獄寺は黙ってシャマルの方を見つめていた。

「2回目の記憶はずぶ濡れで倒れてお前がディーノに拾われる前に消した。」

「どうして・・・」

「お前の記憶を消した理由は言えない。言うくらいなら最初から消さねぇよ。こいつは俺が墓場まで持って行く定めだ」

シャマルはいつの間にか獄寺の後ろに立っている。

その両腕で獄寺の体を後ろから抱いた。

「お前は俺が守ると決めてたからな」

獄寺は顔にかかるシャマルの髪に触れた。

「雲雀もディーノもお前を守ると言った。どっちを選ぶかはお前が決めることだ。そして2人ともお前がまだ子供の頃に出会ったことがある。こいつを運命と呼ぶならロマンチックでいいんだけどよ」

獄寺の頬にシャマルの唇が触れた。

「今になって少しだけ惜しいことをしたと思うがな。」

その両手が獄寺の頬に添えられて真っ直ぐにその瞳を見つめている。

「隼人・・・お前は誰よりも愛しい俺の子だ。誰がなんて言おうとお前に何かあれば何度だって俺はお前のために記憶だって何だって消してやる。」

するとフッと獄寺が笑った。

「もうこれ以上、人の記憶を消すのはやめてくれ。俺のためだと言いながら結局は自分が辛いんじゃねぇのか?まあ、言いたくねぇっていうならそれでもいいけど。俺はどっちも選ばねぇ。どっも好きだし約束した。それじゃあダメか?」

シャマルはぽんと獄寺の頭に大きな手のひらを乗せてから椅子に座った。

「悪かねぇ選択だが、あいつらが納得するかどうかは知らねぇぞ。ディーノなんざお前をいたぶる癖があるだろう」

「もう慣れた。それにあいつはあいつなりの寂しさを紛らわす方法なんだろう」

「雲雀は逆に離れていくかもしれねぇぜ」

「いや、それはない。あの満開の桜の下でした約束を彼は忘れない」

するとシャマルの眉間にシワが寄った。

「なんでそれを覚えていやがるんだ?」

獄寺はグラスにワインをつぎ直してからそれに口をつける。

「さあな、多分俺の五官が覚えていて雲雀に触れられてそれが甦ったのかもしれねぇな」

「まさか」

獄寺は微笑んでシャマルのグラスにもワインをついでやった。


<つづく>


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<
読了、お疲れ様でした。
web拍手を送っていただいてありがとうございます。
すごく嬉しいです。
さて、やっと謎解きが終わりました。
結論も出ました。
あとは2人がどうするかです。
あなたはどうすると思いますか?
自分はやっぱり男同士なら3人もありだと思います。

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2009年5月28日 (木)

20年桜 真桜-14

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。


「それで、俺に話したいことがあるんだろ」

入口から真っ直ぐ奥にある個室に通されると

海の見える席に座った獄寺はシャマルが注文したワインに口を付けた。

シャマルは車の運転があるからと言って大きなグラスに注がれた

発砲のミネラルウォーターを飲んでいる。

「さっきの話しの続きだ」

テーブルに置かれたパンを一切れ手に取りながらシャマルはそれをちぎった。

「お前の昔の記憶だけど、俺が消した」

あまりにあっけなく真実を告げられて獄寺は呆然とシャマルを見つめる。

「お前がまだ子供の時の話しだけどよ」

シャマルはちぎったパンを口に入れた。

「俺が子供の頃・・・お前が?」

「そうだ、これもお前のためだからとお前の両親に泣きつかれた。」

「それで俺の親は?」

「死んだ」

「・・・」

そこまで言うとシャマルは両手を伸ばして立ち上がった。

テーブルから離れて大きな窓の前に立った。

「大人になったし、今ならお前を守る奴もいそうだから今更だけど真実を教えてやろうと思ってな」

シャマルは窓を開けると煙草に火を付けた。

プーンと潮の香りに混じってシャマルの煙草の匂いが舞い込んでくる。

「本当はこの秘密は墓場まで持って行くつもりだったんだがな。お前の周りにいる奴らが許してくれそうにないんでな」

シャマルは口元を上げて微笑んだ。

獄寺は黙ってシャマルを見つめている。

「お前の父親はイタリアの本物のマフィアだった。頼まれれば盗みでも殺しでも簡単にやるような凄腕で、イタリア国家さえも一目置くほどの・・・というかこれは俺の推測だが多分国家の任務さえやっていて危ない橋も渡っていた」

シャマルはそこまで言ってから煙草をふかす。

「お前の母親はそれはそれはきれいな女だった。昔はイタリアでいや、世界でも一流の女優で誰もが憧れていたいい女だった。だかよいつの間にかお前の父親のものになっちまった。突然だぜ、俺を始め世界中の男は嘆き悲しんだぜ」

獄寺の眉がピクリと動いた。

「そういやぁ、お前は母親似にて女だったら美人になっていたな」

シャマルが少しだけ悲しそうに月を見ながら微笑んだ。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をありがとうございます。
すごく嬉しいです。
シャマルいいですよね。
ちょっと過去に遡っているので少しの間真面目な話しが続きます。

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2009年5月27日 (水)

20年桜 真桜-13

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

初めて手にする自分だけの部屋の鍵

獄寺は自然と笑みを漏らしている。

その少しだけ嬉しそうな顔を見て満足したのかシャマルも機嫌が良い。

「夕飯はイタリアンでどうだ?」

「イタリアン以外食わねぇくせに」

獄寺が上目遣いにシャマルを見るとシャマルは微笑んだ。

「そうだったかな」

そう言って立ち上がると獄寺も従った。

シャマルの車はビートル。

高級ホストクラブのオーナーなのに車は質素だが

良く磨き上げられた白いビートルの車内は総革張りシートで

カスタマイズ済みだった。

彼の好みでハンドルやミラーなどどれを見ても既存のそれではなかった。

恐らくカスタマイズ費用が車の費用と同等かそれを上回る金額だと思われた。

獄寺はあまり車には興味もないし知らないが

全体にお金をかけたディーノの車とは明らかに違っている。

そんなところがこの男のマメな性格を反映しているのかもしれない。

獄寺が助手席のシートに座ってシートベルトを締めると思いの外座り心地が良かった。

シャマルが慣れた動作でキーを差し込むと静かなエンジン音がして車は動き出した。

全てにおいて手入れの行き届いた車なのかもしれない。

振動も少なく音も静かだ。

獄寺は思わず睡魔に襲われてあくびをした。

「寝てても良いぞ。今日は海沿いのイタリアンだから少し走るし」

シャマルが獄寺にそう言うと獄寺は遠慮なく瞳を閉じた。

(そういえば帰ってからディーノが戻ってこなくて眠れなかったんだ・・・何か気持ちいい)

すぐに眠りについてしまった。

「隼人着いたぞ」

シャマルは獄寺の肩を軽く揺すって起こしてくれた。

潮の匂いがして波の音が聞こえる。

目の前には白い壁の地中海風な外装のレストランが柔らかい色の光でライトアップされて

浮かび上がっている。

獄寺はシートベルトを外して車のドアを開けた。

するとそのドアをシャマルが無理矢理閉める。

「おい、待て」

シャマルはそう言って当然のように獄寺の唇を塞いだ。

獄寺はシャマルの体を突き飛ばしもせず、逆にその頭に手を回した。

(何か懐かしい気がする。父親のキスに似ている。

父親のキス?何だそれは・・・)

シャマルの唇はすぐに離れて何もなかったかのように2人は車を降りた。

駐車場にも芝が敷きつめてあり、絵に描いたような美しい景色だった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
Web拍手を押してくださった方、感謝ですvv
嬉しいです。本当にありがとうございます。

何かあれ?何?これシャマ獄だっの?
とお怒りの方、ごめんなさい。違います。
2人はこの中では親子関係の様な関係です。
居心地がいいのがこのシャマル。
と取っていただけると嬉しいです。
書きながら時間がわからなくなってしまいました。
ホストクラブって仕事が終わるの明け方ですよね
そんな時間にはたしてレストランがやっているかなんて
細かいこと気にしていたら全てがアウトになるので
あまり気にしないで読んでいただけると良いと思います。
もう、既に矛盾だらけ。。。(汗)

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2009年5月26日 (火)

20年桜 真桜-12

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「雲雀は、昔約束したんだ」

その言葉にシャマルの眉がぴくりと動いた。

「お前、昔の記憶があるのか?」

獄寺には子供の頃の記憶がなかった。

ロマーリオに説明されたときのあの話さえも全く覚えてはいなかった。

自分でもどうしてかはわからない。

でも、なぜか雲雀とは手が触れあった瞬間から

初めてあった人間ではないことを潜在意識の中で認識した。

どこでどんな約束をしたかは覚えていない。

ただ雲雀のことを思い出そうとすると、満開の桜の木が頭に浮かんでくるのだった。

「わかんねぇ、お前は知っていたのか?俺が殺し屋だったこととか・・・」

「誰にそれを」

シャマルが獄寺の手を掴む。

「ディーノの部下だ。子供の頃の話をされた。ただ、もしかしたらそっちは奴らの勘違いだと思っていたんだが・・・」

獄寺は真っ直ぐシャマルの瞳をのぞき込んだ。

「そうだろ、子供の殺し屋なんざ聞いたことがねぇ」

シャマルも獄寺の瞳を見つめる。

シャマルのことはなぜか昔から知っていて、子供の頃の記憶はなくても

この男のことだけはわかる。

いつでも平気でその瞳で嘘をつくからこれが本当かどうか見極めるのはやはり難しい。

だが怪しい薬をたくさん持っているのは知っていた。

その薬の中に獄寺の子供の頃の記憶を消し去るものがあったとしても不思議ではない。

この店のオーナーだって表向きの顔で、本当は何者かわからなかった。

ディーノといい、このシャマルといいなんでこんなホストクラブなんかにいるのか獄寺には理解できない。

ただ、彼らはこの仕事が決して嫌いではなく

それどころか向いていると思った。

だからって本当の身分を偽ってまでする仕事なのだろうか?

獄寺はふとそんなことを考えていた。

「それでこのあとのことだが、ディーノの部屋に戻るのか?」

シャマルの言葉に獄寺は頷く。

「どうして?」

「嫌いじゃねぇ。それに約束したから今夜だけでも帰る」

「ほう、すっかりあいつに飼い慣らされちまったようだな隼人」

シャマルが獄寺の顎に手を伸ばす。

その親指が獄寺の唇に触れて口の中に軽く入り舌に触れた。

獄寺の背筋から全身に何かが走る。

「昔はもっと俺にしっぽを振ってついてきたもんだったが・・・」

シャマルは親指で獄寺の唇を濡らしてからその手を離した。

赤く艶めいたその唇を見つめていた。

「昔って・・・お前は何も知らないと言ってたくせに。やっぱり嘘か」

獄寺がシャマルをきっと睨むとシャマルはそれ以上その話題には口をつぐんでしまった。

「そうだ、お前がディーノの部屋を出るなら俺がお前のために部屋を用意してやった」

そう言ってテーブルに鍵を投げ出す。

獄寺は長い鎖をつけられたルームキーを持ち上げて眺める。

「俺を監視するのか?」

「どこまでも信用ねぇんだな・・・それはお前への褒美だ」

シャマルはそう苦笑いをした。


<つづく>

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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございます。
すごく嬉しいです。

さて、そろそろ解決編というか
色々と謎解き編に突入しないと終わらないです。
そこでキーマンのシャマルの登場となりました。
彼にはそういう役割が似合っていると思います。
でも本当はシャマ獄も好きvv
危なく四角関係になるところでした(笑)
自分サイテー・・・・

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2009年5月25日 (月)

20年桜 真桜-11

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獄寺が店を出ると外ではディーノの部下が車で待っていた。

どうやら電車に乗る自由さえ与えられないらしい。

雲雀も同じ店にいるのだから当然といえば当然かもしれないが

獄寺にとってはまたひとつ自由が奪われてしまった。

「お待ちしておりました」

獄寺を乗せようと黒いスーツの男が車のドアを開けて待っている。

獄寺も自然とその方向に歩いていくと

その腕を誰かに掴まれた。

「?!」

獄寺が振り返ると店長のシャマルだった。

「ちょっと待て、まだお前を帰すわけにはいかねぇんだ」

その様子を見ていたディーノの部下の男はそこに駆け寄ってきた。

「お前はディーノに頼まれたのか?それなら俺はここの店長だ。隼人は今日は俺の車で間違いなく送り届けてやるから今日は帰って良いぞ」

シャマルは口元を上げて笑った。

男はとまどっていたが獄寺が背を向けて

「そう言うことだから帰れ」

と店に引き返していってしまったので車に乗った。

だがそのまま車を発車させようとはしない。

どうやら2人の行動をそのまま監視する気のようだ。

獄寺は振り返って車が動く気配がないのでそれを見て軽くため息をついた。

「大丈夫か隼人」

シャマルがそんな獄寺を見て思わずそう言うと

獄寺は首を横に振った。

2人は店の店長室に戻って行った。

シャマルの後ろについてドアを閉めるとソファーに座った獄寺は

テーブルに置かれていた煙草を1本取り出して火をつけた。

獄寺の吸っている煙草はシャマルと同じ銘柄だった。

獄寺が煙草を覚えたのはこのシャマルの影響で

煙草はシャマルの吸っているものをこんな風にいつも当然のように吸っていた。

「最近のディーノはちょっとやり過ぎみてぇだな。お前の体に痕が残るようじゃ俺もそうそう黙っちゃいられねぇ。」

シャマルが獄寺の首筋のシャツから覗く赤い痕跡を見ながら言った。

獄寺は何も言わずに煙草の煙を眺めている。

「お前はどうなんだ隼人」

「どうって、この仕事か?」

シャマルも煙草に手を伸ばすと自然と獄寺はシャマルの煙草に火をつける。

「ディーノのことだ」

「嫌いじゃない。多分。でも」

そう言って獄寺は視線をそらした。

「雲雀が気になるか・・・」

「違うけど・・・雲雀は」

シャマルの言葉に獄寺自身が少し驚いている風だった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手をパチパチすごく嬉しいです。
皆さんはどのCPのファンなのでしょう?
このブログというか拍手はどれに対してかわかればいいのになぁ~

夏コミ受かるかわかりませんが
69執事の再編集をしています。
今読み返すとかなり荒い文章なので肉付けするとそれだけでページ数が増えそうです。。。
でもいずれオフで出したい。ストーリーは多分大幅に変わると思いますがラストシーンは気に入ってるんだよな~

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2009年5月22日 (金)

20年桜 真桜-10

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一体口づけにどれほどの時間を費やしたのだろう。

ディーノが獄寺の唇から離れると

獄寺はへなへなと床に座り込んでしまった。

ディーノはそんな獄寺の背中に腕を回してソファーに座らせた。

雲雀はその横に立ってディーノを黙って見つめていた。

「何か言うことあるんじゃない」

獄寺の顔にかかる髪を丁寧に払いながらディーノが横に立っている雲雀をチラッと見た。

「言いたいことがあるのは君でしょ」

雲雀は獄寺を見つめている。

獄寺は潤んだ瞳を半分だけ開いて呆然としている。

まるでキスに酔ってしまったようだった。

「ああ、山ほどある。でも俺は隼人がいればお前に言うことなんかどうでもいい。けどこう見えても育った環境のせいか、礼儀とかそっちはうるさくてね」

まだ獄寺の顔を見飽きないように目を離さない。

「雲雀・・・お前は何も言わなくて良い」

ソファーから正面に見える雲雀に獄寺が口を挟んだ。

「ふうん」

雲雀は一言そう言うと控え室のドアに向かう。

「俺が言いたいのは、せめてここで働くなら挨拶ぐらいしてもいいんじゃねぇかってことだ。雲雀恭弥」

フルネームでディーノに呼び止められると雲雀が振り返った。

「なんだそのこと」

雲雀がつかつかと戻ってディーノの前に立つと獄寺も立ち上がった。

「今度この妖精の薔薇に世話になることになった雲雀恭弥。僕は群れるのは嫌いだからあまり接触はないとは思うよ。」

頭を下げるわけでも握手を求めるわけでもなく

雲雀はそれだけ告げるとまたきびすを返す。

「あ、それから・・・僕の前で今みたいなことはもうやめてくれないか。不愉快だ」

その前まで自分が獄寺にしていたことは除いてディーノに対してそう言った雲雀にディーノはクスッと笑った。

「滅茶苦茶だな」

獄寺も呆然と立ったまま雲雀の背中を見送っていた。

「なぁ隼人、不完全燃焼じゃね?」

ディーノはソファーに腰を下ろすと横に立っている獄寺の手首を引っ張って

自分の上に座らせた。

「続きしようぜ」

獄寺の頬に両手を添えた。

獄寺はディーノの手を掴んで自分の顔から離した。

「やめろ、うぜぇんだよ」

「あーあ、そんなにあの雲雀はうまいのか?」

微笑むディーノを獄寺が睨みつけた。

ディーノはスッと立ち上がる

「とりあえず今日俺はアフターびっちり終わってから帰るけど、部屋でおとなしく待ってろよ」

つい先ほどまでの笑顔はすっかり消えていた。

そのままフロアに消えていった。

ディーノは時に背筋が凍るほど冷たい目をすることがある。

雲雀も鋭い瞳を持っているが、それとは違う種類の冷酷な瞳。

獄寺はディーノのその目を久しぶりに見て

彼が本気であることを改めて確認した。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
Web拍手を押していただいて本当にありがとうございます。
ポチポチ嬉しいです。vvv

さて、何というかどういう場面か
進まなくてスミマセン
この章は雲雀×獄寺なのに
展開がおかしい。。。
多分今日の健康診断のせいでお腹がおかしいからだと思います(笑)

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2009年5月21日 (木)

20年桜 真桜-9

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

雲雀は獄寺の顎を持ったまましばらくその瞳を見つめていたが

それに飽きてしまったようにその手を離して瞳をそらした。

獄寺は取り残された寂しさのようなものを感じずにはいられなかった。

心のどこかで雲雀がそのまま唇を重ねてくると思っていた。

そんなことを少しでも考えていた自分に驚きを隠せずに動揺した。

雲雀は何も言わないで目の前に置かれていた雑誌を手に取って

読むわけでもなくペラペラとページをめくっている。

獄寺はそんな雲雀の顔を盗み見るが

雲雀はもう獄寺の顔を見ようとしない。

獄寺は僅かに震える手を雲雀の頬に伸ばした。

今度は雲雀が驚いて瞳を見開いた。

獄寺はそのまま両手で雲雀の頬を包み込むと自らの顔を雲雀に寄せた。

真っ正面からのぞき込んでくる透き通った翡翠の瞳に

雲雀は目眩のようなものを覚えて伏し目になった。

いきなり雲雀の唇に柔らかい感触と獄寺の若草のような柑橘系のコロンが鼻をくすぐった。

獄寺は自ら雲雀に口づけてきた。

雲雀の唇を舌で舐めるといきなりその唇が開き獄寺の舌は雲雀の舌に絡め取られた。

雲雀の口の中へと誘導されて今度は雲雀の舌が獄寺の口の中に入り込んでくる。

大きく口を開けながらお互いにキスを堪能する。

全身が雲雀を欲するように獄寺は雲雀の背中をかき抱いていた。

一方雲雀は手にしていた雑誌を床に落として、片手で後寺の腰をもう片方で獄寺の髪をかぎ乱した。

しばらくそうしてお互いをむさぼり合っていると

控え室の扉が勢いよく開かれた。

入口に誰かの気配は感じられるが2人は無視してキスを続行していた。

するとその人物は2人の横に立って強引に獄寺の腕を掴んで雲雀から引きはがすと

そのまま抱きしめてその唇を塞ぐ。

その噛みつくような口づけには獄寺は慣れていた。

(ディーノ・・・・)

獄寺は糸の切れた操り人形のように動かなくなると

ディーノは獄寺強く抱きしめて口づけながら雲雀を見た。

その挑発的で笑いを含んだ瞳は雲雀に

「お前なんかには絶対に渡さない」

と語っていた。



<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございました。
嬉しいです。ちなみに山本ファン?それとも雲雀?

わぁ~キスのシーンって好きだから
延々と書き続けられそうで自分が怖いです。。。
変態過ぎてごめんなさい。
普通こういう小説って恥ずかしいですよね~(照)

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2009年5月20日 (水)

20年桜 真桜-8

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※この小説は18歳以下の方の閲覧を禁止させていただきます。

「おはようっす!」

獄寺は店の入口に着くと若手に挨拶をした。

「あ、獄寺さん、ご無事で」

どんな噂が流れていたのか知らないが

店の若手は皆獄寺が普通に現れたことに驚いていた。

大体が予想はついたがその予想を裏付けるように

カウンターから山本が声をかけてきた。

「獄寺?よかったやっとディーノさんに解放されたんだな」

獄寺はしかめっ面を山本に向ける。

「やっぱりろくでもねぇ噂か」

そのままカウンターに座ると灰皿を引き寄せて煙草に火をつけた。

「だってお前、突然消息がわからなくなったら誰だって心配するぞ」

獄寺にドリンクのグラスを差し出しながら山本が微笑んだ。

「でも、無事で安心した。色々あったからディーノさん今度こそ強行手段に出たんじゃねぇかと思って心配してんたんだ。バジルと一緒に獄寺救出作戦とか考えてたぜ」

「馬鹿かてめぇら」

まんざら嘘でもないと思いつつも獄寺は軽く受け流した。

そこに突然山本が獄寺の手首を掴んでシャツのをめくって腕を見た。

そこにはくっきりと手錠の痕がまだ残っている。

「・・・っ・・」

「あ、可愛そうにな。思った通りだぜ。ディーノさんって普段穏やかな分、ちょっと異常な時があるんじゃねぇかと思ってたけど」

「離せ!!」

獄寺は掴まれた腕を引いてシャツのボタンをきちんとしめた。

山本が辛そうに笑う。

その表情から自分が哀れみを受けている気がしていたたまれなくなって

獄寺は灰皿に煙草の火をもみ消して立ち上がった。

「おい、まだ話はこれから・・・」

何か言おうとした山本を無視して獄寺は控え室を目指して歩き始めた。

(全く、バレてんじゃねぇか・・・こんな恥ずかしいこと人に知られたくなかったってのに、バカヤロー!!)

獄寺は片手で顔を押さえながら控え室のドアを開けた。

「やあ、来たね」

そこには雲雀が座っていた。

「雲雀」

「おいで」

雲雀は獄寺の瞳を真っ直ぐに見つめて暗示でもかけるようにそう言った。

獄寺は本当に暗示にかかってしまったかのように

そのまま雲雀の横に座る。

「どうして出て行ったの?」

雲雀は獄寺の頤をつかんでその瞳を間近でのぞき込んできた。

「僕はずっと君を待っていてやっと手に入れたばかりだというのに

君はあっさりと僕を裏切るね」

雲雀の瞳は冷たく光った。

獄寺はそれは違うと言いたくても言えなかった。

事実、ディーノの部下が乗り込んできたときには自ら雲雀の部屋を後にしたのだから

それにどんな理由があったとしてもそれは結局言い訳にしか聞こえないと

思ったからだった。


<つづく>


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読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいて感謝しています。
ありがとうございます。

前回新章にアップしましたが
少し思い直して前回の章を撤回します。
色々と読み返すと、ところどころ辻褄が合っていなくて
読まれている方が「あれっ?」と思われる箇所が多々ありました。
もう、今に始まったことじゃないのですが(汗)
ちょっと言い訳すると
当初考えていた1本のストーリーから登場人物がらみで
今回の場合だと本来は雲雀と獄寺だったんですが
ディーノと獄寺の絡みが書きながらおもしろくなり
2本の軸にしたところからミスが始まりました。
結局どっちにするのか迷いながらストーリーを進めているため
気分で最終地点が入れ替わったりしました。
そのためにあっちこっち不安定なストーリーになってしまったのでした。本当に申し訳ないです。。。。
けど別にオフ本じゃないし
書き直す気もしないのでこのままにします。
こんな手抜きでも読んでいただける方がいらっしゃるので感謝しております。
いずれビシッとオフで本を出したいと思っています。


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