69執事「終わりなき闇」23
『起床時の憂鬱』
「隼人様そろそろ起きなくてはいけませんよ」
「黙ってもう少し寝かせろ」
「いけません。本日はお客様もいらっしゃいますし」
「うるさい・・・出て行け」
「ダメです。ほら今お目覚めのアールグレイをお入れしました」
骸は大きな窓に下がっていたカーテンを全て開けると部屋中に朝日が差し込む
眩しそうに布団を被る隼人の側でティポットから紅茶をカップに注ぎ入れると
部屋中に柑橘系のアールグレイの香りが漂ってきた。
「畜生」
隼人が観念して顔を出すとその顎を捕らえた。
「いけない言葉ですね。僕はそんな言葉は教えていませんが」
と顎を掴んだまま白い手袋の親指を隼人の口の中に入れた。
隼人の口の中にその指を絡ませる。
「・・・んっ・・・」
「おや、良い格好ですご主人様。僕におはようのキスをしてくれますね」
骸の言葉に仕方なく頷いた隼人はせめてもの反抗として瞳だけで骸を睨んだ。
しかし骸は隼人の口から手を放すと真っ直ぐに隼人を見つめた。
隼人は蛇に睨まれた蛙のようにおずおずと骸の両頬に手をあてた。
そのまま秒速のキスを済ませると骸は両目を大きく見開いた。
そしてすぐにプッと吹き出した。
「全くお可愛らしいお方ですねあなたは・・・朝から押し倒したくなりますよ」
同時に隼人の両肩をベッドに押さえつけると今度は骸からその唇を塞ぐ。
「・・・ん・・ぐ・・・」
隼人はその体を引き離そうとしていたが間もなく観念したのか動きが止まった。
角度を変えながら口づける骸の後ろで束ねた黒髪が隼人の頬にかかる。
骸の舌が隼人の舌に絡みつくように動き回り体中がくすぐったさを覚えて骸に腕を回した。
しばらく濃厚な口づけを交わしながらチュッと音を立てて満足げに骸の唇は離れていった。
骸は呆然とした隼人の顔を覗き込んで勝ち誇ったような笑顔をみせた。
「アールグレイが冷めてしまいました」
「お前のせいだ」
「いいえその罪はあなたですよ」
カップを隼人の口元に持っていくと隼人は払いのけた
「いらん」
紅茶が真っ白なシーツと隼人のパジャマにシミをつける。
「おやおや」
骸が少し困った仕草で隼人のパジャマに手を伸ばすと隼人はその手をスルリとよけた。
「シャワーを浴びてくるから着替えを用意して、お前はここから早く出て行け」
「わかりました」
隼人はそのまま部屋の中にあるバスルームへと消えていった。
骸はシーツを剥がしながらそれを丸めて持って部屋を出て行った。
<つづく>
>
ヒバ獄をポチッと!
![]()
読了、お疲れ様でした。
web拍手を押していただいてありがとうございました。
やっと原稿が書き上がりました。
ここですべてをアップしてしまうと夏つまらなくなってしまうかな・・・
このあともしかしたらアップは夏コミ終了後にしようかと考えています。